2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13771053
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
山田 晴彦 関西医科大学, 医学部, 助手 (50288841)
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Keywords | アポトーシス / 網膜新生血管 / 脈絡膜新生血管 / VEGF |
Research Abstract |
我々は、一旦発生した眼内新生血管がどのような形で退縮していくかのメカニズムを検討し、あたらしい新生血管退縮促進治療の開発を目的として研究を行った。まず、眼内血管新生モデル動物を作成してTUNEL染色を行い、新生血管の退縮過程でどの細胞がアポトーシスに陥っているかの検討を行った。1つめの、VEGFトランスジェニックマウス(VEGFtg)では、新生血管と周囲の細胞にTUNEL陽性所見がみられた。2つめに、レーザー光凝固による実験的脈絡膜新生血管では、新生血管内板のなかに数個の陽性細胞を認めた。3つめに、低酸素網膜症では、網膜新生血管の中にごく少数のTUNEL陽性細胞を認めた。これらの3つの眼内新生血管モデルの組織切片をFas,Fas-L Bax,Bcl-2のそれぞれの特異的抗体を用いて免疫組織化学染色を行ったところ、Fas,Bax,Bcl-2で染色性をみとめた。Fas,Fas-1,Bcl-2,Baxに関してはそれぞれのノックアウトマウスをすでに入手し、genotypingを行ってhomozygosを作出し、それらのマウスをつかって上記3種類の眼内血管新生を誘導して、発生した新生血管の定量を行ってどの因子がcriticalかを検討した。結果的にはどのノックアウトマウスにおいても有意な新生血管の抑制、または促進のデータを得ることができなかった。また、アポトーシス抑制因子を眼内注入するためにマイクロインジェクションシステムによる眼内薬物注入について手技を確立し、マイクロインジェクションをもちいた基礎研究を行って定量的に眼内に抑制因子を注入できたが、注入による影響がかなりみられたため、血管新生の抑制に効果があったかどうか定量性に欠く部分があった。
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