2001 Fiscal Year Annual Research Report
角膜実質のコラーゲンゲル収縮抑制作用を示すSPARCの活性ペプチドの決定
Project/Area Number |
13771055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
日比野 剛 近畿大学, 医学部, 講師 (60288917)
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Keywords | 角膜創傷治癒 / コラーゲンゲル収縮 / SPARC |
Research Abstract |
SPARCは角膜実質の創傷治癒過程に出現する糖蛋白質で角膜実質の瘢痕収縮に関与すると考えられている。SPARCはin vitroにおける角膜実質の瘢痕収縮モデルである角膜実質細胞のコラーゲンゲル内培養においてコラーゲンゲル収縮を促進させる。このSPARCの作用の活性ペプチドを同定する目的で現在までに報告されているSPARCの種々の領域の活性ペプチドを作成した。具体的にはドメインII領域のペプチドKGHK、ドメインIII領域のペプチド3.2(KNVLVTLYERDEGNNLLTEK)、IV領域のペプチド4.2a(TCDLDNDKYIALEEWAG)、4.2a(TCDLDNDKYIALDEWAG)、4.2b(DLDNDKYIALEEWAGCFG)を作成した。培養角膜実質細胞をコラーゲンゲル内に包埋してこれら合成したペプチドおよびSPARCを添加して培養し角肪実質細胞のコラーゲンゲル収縮作用を検討した。この結果、SPARCのドメインIV領域由来のペチド4.2aおよび4.2a'が角膜実質細胞のコラーゲンゲル収縮に対して抑制効果を示した。また。他のペプチドKGHK、3.2、4.2bはコラーゲンゲル収縮に影響は及ぼさなかった。またこれらのペプチドではSPARCに認められたコラーゲンゲル収縮促進作用は認められなかった。以上のことからSPARCの活性ペプチドである4.2a、4.2a'が角膜実質細胞のコラーゲンゲル収縮抑制作用示すことが明らかとなった。
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