2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13771062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今井 啓道 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80323012)
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Keywords | 皮弁 / 一過性虚血 / 脂肪細胞 / 皮弁萎縮 / アポトーシス |
Research Abstract |
ラットの下腹部皮弁をepigastric vesselを血管茎とし挙上、血管茎をmicrosurgical vascular clamp(clamping Power 30g)で8時間遮断した後再還流させる。この皮弁は7日目に壊死せず、萎縮のみ生じることがこれまでのわれわれの研究で証明されている。この皮弁を再還流後、直後、8時間、24時間、48時間に採取した。 また、2時間遮断群、および遮断を行なわないsham対照群を準備した。 それぞれの標本のHPFあたりの表皮細胞数と真皮下脂肪細胞数を計測したところ、8時間遮断群にのみ、48時間から7日目にかけて脂肪細胞数の有意な減少を認めた。 HSP72の免疫染色では、2時間遮断群では表皮細胞、真皮下脂肪細胞ともに遮断解除後8時間から48時間にかけてHSP72のprolonged inductionを認めた。8時間遮断群では真皮下脂肪細胞にのみ、8時間から24時間にかけ、HSP72のbrief inductionを認めた。 この結果から、8時間遮断群の真皮下脂肪細胞はHSP72のbrief inductionを生じ、7日目に細胞死していることが分かった。 脊髄神経細胞や脳神経細胞においてはHSP72のbrief induction後の細胞死はapoptosisであることが証明されている。真皮下脂肪細胞においても同様な事が証明できることを予想し、TUNNEL法にて、アポトーシスがそれら細胞に選択的に発現していることを示そうと試みているが、現在のところ、脂肪細胞の核が切片に現われる率が低いことからか、DNAの断片化は証明できていない。そのため、細胞質でapoptosisを捕らえられるapoptosis cascadeの蛋白である、caspase-3やcytochrome-Cなどの発現を免疫染色法を用いてその局在の経時的変化を捕らえてゆく方法に変更した。現在、caspase-3が8時間虚血後48時間にのみ選択的に発現していることまで捕らえている。今後、さらに上流のcytochrome-Cの染色を計画している 血管内皮細胞については、うまく虚血での変化を捕らえられず試行錯誤している最中である。
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