2001 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病関連菌P.gingivalisの口腔環境下でのタンパク質発現の解析
Project/Area Number |
13771076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
内藤 真理子 長崎大学, 歯学部, 助手 (20244072)
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Keywords | 歯周病関連菌 / P.gingivalis / ストレス |
Research Abstract |
菌体の全蛋白質を網羅するのに適した解析法である二次元電気泳動法によってPorphyromonas gingivalis(ATCC33277株)の嫌気培養下と酸素暴露下(嫌気培養後2時間好気培養)の蛋白質の発現を比較した。まず、異なるゲル間での各蛋白質の泳動位置の決定の指標になると思われるスポット(9個)、次に両培養条件で発現量が顕著に異なるスポットを切り出し、N末端アミノ酸配列を決定した。得られた配列をもとにデータベース検索を行い、各蛋白質を同定した。泳動位置の指標として選んだスポットはそれぞれ、L7/L12,Gdh, GroEL, GroES, Tpx, Tsf, Por, EtfB, PrIIであった。これらのスポットとの相対的な位置関係から容易に異なるゲル間の蛋白質のスポットの比較が行えるようになった。そこで酸素暴露下で発現が増加する蛋白質としてSod, AhpC, Tpx, TrxA, GroESを同定した。さらに酸素暴露下で発現が増加する蛋白質として分子量約9kDaの蛋白質(Pg9)を見い出した。この蛋白質のN末端アミノ酸配列を解析しP.gingivalisの全塩基配列のデータベース検索を行ったところ、新規の遺伝子であることがあきらかになった。P.gingivalsの全ゲノムからPg9をコードする遺伝子をクローニングし、ORFが255塩基からなり84アミノ酸残基からなる蛋白質であることを解明した。今後この遺伝子を用いて発現調節の機構を、また変異株を作成して機能を解析していく。
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