2001 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨内骨化過程に発現する非コラーゲン性タンパクの遺伝子・タンパクレベルでの研究
Project/Area Number |
13771084
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
相馬 美歩 日本大学, 歯学部, 助手 (70328756)
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Keywords | 非コラーゲン性タンパク / 軟骨内骨化 / 骨芽細胞 / 骨細胞 / in situ hybridization / osteopontin / dentin matrix protein 1(Dmp1) |
Research Abstract |
平成13年度は,ラット形成期脛骨における非コラーゲン性タンパクの発現について検討を行った。 【方法】 Wistar系ラット胎生14日齢〜生後10日齢(E14〜10day)の形成期脛骨を採取し,パラフィン切片を作成した。その後,osteopontin(OPN)およびdentin matrix protein 1(Dmp1)のcDNAを鋳型としたDigoxigenin標識RNAプローブを使用し,in situ hybridization法を行った。 【結果】 形成期脛骨の形態変化:E15に軟骨原基が認められた。E17になると骨幹部周囲の軟骨膜下に骨芽細胞が分化し,E18では骨幹部周囲の骨基質が石灰化した。E19になると一次骨髄腔が形成された。 OPN遺伝子の発現:E17に0PN遺伝子は骨幹部周囲の軟骨膜下に分化した骨芽細胞に初めて出現した。E19になると,一次骨髄腔の骨芽細胞に遺伝子発現が認められた。引き続き10dayまで骨幹部周囲および一次骨髄腔の骨芽細胞にOPN遺伝子発現が認められた。 Dmp1遺伝子の発現:E18になって初めて,Dmp1遺伝子は骨幹部周囲の骨膜下の骨芽細胞に軽度に発現した。E19になると,主に骨幹部周囲に分化した骨細胞に遺伝子発現が認められた。誕生直後,一次骨髄腔の骨梁周囲では,ごく一部の骨芽細胞のみに遺伝子発現が認められた。2dayになり,Dmp1の遺伝子は一次骨髄腔に出現した骨細胞にも認められ,以後10dayまで,主に骨幹部周囲および一次骨髄腔の骨細胞に認められた。 【結論】 以上の結果より,osteopontinは骨芽細胞分化に関与している可能性が考えられる。また,Dmp1遺伝子は骨芽細胞よりも主に骨細胞に発現し,骨細胞の機能に関与している可能性が考えられる。
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