2002 Fiscal Year Annual Research Report
カプセル封入多細胞スフェロイドを用いた放射線・化学療法併用方法の検討
Project/Area Number |
13771110
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中村 伸 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70323699)
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Keywords | スフェロイドモデル / 放射線感受性 / p53 status / 治癒率曲線 |
Research Abstract |
p53 statusの異なる2種のヒト舌癌細胞(SAS野生株、SASp53変異株)を用い、これを我々が開発した方法によって径650μm程の半透膜カプセルに封入し内部に多細胞スフェロイドを構築させたところ、今回用いたこれらの細胞においてともにカプセル内にスフェロイド形成をすることが確認された。細胞を半透膜カプセルに封入しこれらが径650μm程度のスフェロイド形成して固形腫瘍モデルとして各種実験に使用可能になるまでに要する培養期間はともに約1ヶ月間であり、以前にマウスの腫瘍細胞で行った実験とほぼ同等であった。 作成された2種類の細胞で構築された半透膜カプセル封入スフェロイドを用い、これらにin vitroの系で2-20Gyのγ線照射を行い、1条件あたり24個の半透膜カプセル封入スフェロイドを24穴マルチウェルプレートにまき照射後1ヶ月間培養を行った。培養後にカプセルを破壊し増殖しているスフェロイドとそうでないものの割合から各々の放射線線量・腫瘍治癒率曲線を求めたところ50%腫瘍制御線量TCD50はSAS野生株で11Gy程度、SASp53変異株では12Gy程度であった。両細胞の半透膜カプセル封入スフェロイドをパラフィン包埋し、組織切片を作成し、これに対しアポトーシスや低酸素分画といった組織学的検索を行って、これらの相違を確認中であり、化学療法剤であるシスプラチンとの併用効果に関して同様の手法を用いて腫瘍治癒率の比較検討を行っている。
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