2001 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組換え型エナメルタンパク質を利用した象牙質再生に関する研究
Project/Area Number |
13771129
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
柴 秀樹 広島大学, 歯学部, 助手 (60260668)
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Keywords | ウサギ切歯 / 上皮細胞 / 線維芽細胞 / エナメルタンパク質 / タフテリン / ALPase / 象牙質再生 |
Research Abstract |
近年,エナメルタンパク質は,エナメル質の石灰化を制御するばかりでなく,細胞の増殖や分化に関わることが示された。エナメルタンパク質の歯髄細胞の増殖や分化における役割について検討するため,本年度は,以下の2つの実験を行った。実験1.ヒト組換え型エナメルタンパク質の精製:組換え型エナメルタンパク質を以下に示す方法で作製した。1)エナメルタンパク質のcDNAの分離:ヒトマラッセ上皮細胞から,エナメルタンパク質であるタフテリンのコーディング領域を含むcDNAを分離した。2)タフテリン発現ベクターの構築:ヒスチジンタグを有するpIZT/V5ベクターを用いた。3)発現プラスミドの細胞への導入:リポソーム法を用いて,Sf9昆虫細胞に導入した。4)発現タンパク質の確認および精製;ウェスタンブロット法によって,ウレア画分に予定分子量のタンパク質の発現が確認できた。今後,精製したタフテリンが歯髄細胞の増殖やアルカリホスファターゼ(ALPase)に及ぼす影響を調べていく予定である。実験2.タフテリンがウサギ切歯歯髄細胞のALPase発現に及ぼす影響:ウサギ切歯上皮由来細胞から分離したタフテリンの遺伝子を,pcDNA3.1/His/LacZベクターを用いて,ウサギ歯髄由来線維芽細胞に導入した。48時間後に,遺伝子導入群と非導入群のALPase mRNAの発現をRT-PCR法で調べた結果,ALPase発現には変化が認められなかった。今後,この遺伝子導入システムを利用し,増殖や骨関連タンパク質(オステオポンチン,BMP-2,BMP-4など)の発現に及ぼす影響を調べていく予定である。
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Research Products
(1 results)