2001 Fiscal Year Annual Research Report
人工う蝕象牙質モデルを用いた新しい接着性レジン修復法の開発
Project/Area Number |
13771131
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
浦山 明久 徳島大学, 歯学部, 助手 (40304539)
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Keywords | レジン / う蝕象牙質 / 人工う蝕 / マイクロテンサイル法 / レジン接着性 |
Research Abstract |
象牙質に対する接着システムの性質が近年著しく向上したのに伴い、新しい概念の象牙質う蝕治療法が提唱されている。従来の研究では健全象牙質がレジン浸透性の評価の対象であったが、今後はう蝕象牙質に対する接着メカニズムの検討が必要不可欠であると考えられる。そこで今回、細菌培養液中に歯牙を浸漬して人工的にう蝕象牙質を作製し、う蝕象牙質へのレジン浸透性を評価した。 抜歯適応となったヒト健全生活大臼歯を被験歯として用いた。抜去歯の歯冠半分を切断し新鮮な象牙質表面を露出させた後、この試料をStreptococcus mutans MT8148を接種した0.5%スクロース含有ブレインハートインフュージョン液体培地に2週間浸漬し、人工う蝕象牙質表面を形成した。セルフエッチングシステムであるメガボンド(MB)およびユニフィルボンド(UB)を適用して、マイクロテンサイル法により各接着システムの人工う蝕象牙質に対する接着強度を測定した。また、接着界面の微細構造を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。 マイクロテンサイル法の結果より、MBおよびUBの健全象牙質に対する接着強度はそれぞれ48.2、32.6MPaとなった。一方、人工う蝕象牙質に対してはそれぞれ16.7、17.7MPaとなり、接着強度は有意に低下した。また、接着界面のSEM観察により健全象牙質では厚さ数マイクロの樹脂含浸層と象牙細管内には無数のレジンタグが観察されたのに対して、人工う蝕象牙質では樹脂含浸層およびレジンタグは認められず、変性コラーゲンと思われる層の存在によりレジンの浸透が阻害され、界面の一部ではギャップが観察された。これらの結果より、人工う蝕象牙質表面における構造変化はレジン浸透性を著しく阻害する要因となっており、浸透性を向上させるような表面の改質が必要であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)