2001 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤徐放性を有する機能性アパタイト材料の開発および硬組織再生への応用
Project/Area Number |
13771160
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 卓也 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40324793)
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Keywords | ハイドロキシアパタイト / 徐放性 / 塩基性タンパク質 / アスパラギン酸 |
Research Abstract |
異なる温度条件下でハイドロキシアパタイト(HAp)を合成し、その結晶性、溶解性を検討したところ、合成温度の低下にともない結晶性の低下が確認でき、また、結晶性に依存して溶解性が上昇することを確認した。また、結晶性の低下にともない、比表面積の増加も確認した。このHAPを用いて塩基性タンパク質(シトクロームc:分子量約1万)の吸着を検討したところ結晶性の低下にともないタンパク質吸着量の増加が確認され、その値は比表面積の値と高い相関性があることが確認できた。さらにこの、塩基性タンパク質吸着HApを用いて、異なるpH溶液中でのタンパク質放出挙動を検討したところ、低pH溶液(pH4)では浸漬時間に依存してタンパク質放出量が増加したのに対し、中性溶液中ではタンパク質の放出はほとんど確認できなかった。また、結晶性に依存してタンパク質放出割合が異なったことから、タンパク質の放出がHApの溶解に依存していることが明らかになった。このようにHApの結晶性を制御することにより、タンパク質の放出を制御できることが明らかとなった。 また、アスパラギン酸存在下で合成したHApは合成時のアスパラギン酸存在量に依存して結晶性を制御できることが明らかとなり、上記と同様の実験を行なったところ。同様にタンパク質の放出を制御できることが明らかになった。 現段階での研究実績はin vitroの結果であり、今後、in vivoにおけるタンパク質の放出あるいは実際の増殖因子を結合させた実験および硬組織再生への応用を行う予定である。
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Research Products
(1 results)