2001 Fiscal Year Annual Research Report
金属アレルギー新しい検査法の開発-唾液中の抗体による感作関与蛋白質の同定とその利用-
Project/Area Number |
13771175
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
南 二郎 長崎大学, 歯学部, 助手 (80304955)
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Keywords | 金属アレルギー / 唾液 / 有機酸 / 蛋白質 |
Research Abstract |
金属アレルギー患者(患者群)と健常者(健常者群)から唾液の採取を行った.唾液は唾液腺の種類、分泌量、分泌刺激の違いなどの諸因子によって容易に影響を受け,日内変動もあるので,一日のうちで最も安定するとされている午後2時〜4時に唾液を採取した。採取に際しては,歯科用金属の溶出を研究対象とするため,口腔内で使用されている金属が最も接触する機会が多い安静時の唾液で,通常口腔内に存在する条件下での全唾液とした.被験者は環境の明度を自然光下で体位は座位とし、採取前の含漱,嚥下,排唾等を行わないように指示した。歯科用コットンロールを口腔底に3ヶ所に設置し、5分間,吸収させ,取り出し,乾燥したコットンロールで残留唾液をふき取り,計4個のコットンロールを10mlのプラスチックシリンジの外筒に入れ,外筒を50ml遠心管に入れ,3000rpm,15分間遠心して.不純物を含まない全唾液検体を回収,分泌速度を測定した。患者群と健常者群には有意な差はみられなかった(p<0.05)。 唾液の成分のうち、金属の腐食に最も関与するのは、pHを変化させる酸である。そこで唾液中に含まれる有機酸で高速液体クロマトグラフィーを用いて分離可能な8種類(クエン酸,ピルビン酸,リンゴ酸,コハク酸,乳酸,ギ酸,酢酸,プロピオン酸)を定性分析、定量分析を行い,患者群と健常者群の間でその差異の検討を行った.全唾液中でピルビン酸に患者群と健常者群で有意な差がみられた(P<0.05)。また,患者群においては感作されている金属と有機酸の濃度との関係を検討している。
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