2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13771235
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
林 勝彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90287277)
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Keywords | オピオイド受容体 / 顎関節 / 雌雄差 / In situ hybridization法 / 免疫組織化学 / ラット |
Research Abstract |
【目的】顎関節における末梢性鎮痛作用の雌雄差を解明することを目的として、雌性ラット顎関節におけるオピオイド受容体の局在を雄性ラットと比較検討し、その局在分布様式および数的相違を明らかにする。 【方法】1.ラット顎関節標本作成 同一条件下に飼育された7週齢Wister系雌性および雄性ラット、各々10匹を、4%パラホルムアルデヒド0.1M PBS溶液で灌流固定し、顎関節を摘出後さらに同固定液にて4℃、16時間浸漬固定を行った。摘出材料を10%EDTA溶液にて脱灰し、通法に従いパラフィン包埋、次いで矢状断にて厚さ4μmの連続切片を作製した。 2.In situ hybridization法 μオピオイド受容体に特異的と考えられた領域(45base)を選択し委託合成したジゴキシゲニン標識オリゴヌクレオチドプローブを用い、非放射線性ジゴキシゲニン法を応用した。さらにアルカリフォスファターゼ発色により核酸を検出した。 3.免疫組織化学的染色 抗μ(ケミコン・AB1562)、抗δ(ヶミコン・AB1560)、抗κ(Upstate biotechnology・KOR-1計3種のオピオイド受容体に対するポリクローナル抗体を用いて間接法(PAP法)にて施行した。 4.データ解析 上記実験により得られた標本の組織像をコンピューターへ画像入力し、画像解析システムにて陽性スポット数を定量的に分析した。 【結果】ラットの顎関節滑膜におけるμオピオイド受容体mRNAシグナル数は、雌雄間において有意差を認めなかった。また、μ、δ、κオピオイド受容体の免疫組織化学的検索の結果、各オピオイド受容体は滑膜や前後方部結合組織に局在した。さらに、μおよびδオピオイド受容体数に定量的な雌雄差は認めなかったが、κオピオイド受容体の陽性数は雄性ラットにおいて有意に多かった(Mann-Whitney test, P<0.05)。
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Research Products
(1 results)