2001 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌患者に対する癌ワクチンの基礎的研究および臨床応用
Project/Area Number |
13771247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
岩本 修 久留米大学, 医学部, 助手 (80247527)
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Keywords | 口腔癌 / 癌ワクチン / 癌退縮抗原遺伝子 / CTL |
Research Abstract |
SART-3遺伝子は,1999年に当大学(免疫)のYangらによって同定された癌拒絶抗原遺伝子で,HLA-A24拘束性の細胞傷害性T細胞(CTL)を特異的に誘導するとされ,癌ワクチンとしての期待も高い.SART-3遺伝子は現在まで各種固形癌に広く発現していることが確認されており,正常組織では精巣以外の発現は認められていない.申請者は,このSART-3遺伝子が口腔癌のワクチンになりうる可能性を調べるため,第1段階として,口腔癌細胞株および手術で切除した口腔癌組織(新鮮例)にSART-3遺伝子が発現しているか,否かをタンパク質レベル(Western Blotting)で確認した.第2段階としては,SART-3遺伝子が口腔癌患者末梢血由来HLA-24拘束性CTLの誘導ができるのかを実験した.誘導能はSART-3ペプチドを用いたIFN-γの産生量を測定した. 結果は口腔癌細胞株では,核分画および細胞質分画において6/6(100%)発現していた.口腔癌組織では核分画が19/31(61%),細胞質分画が12/31(39%)で,良性腫瘍組織は,いすれも0/3(0%)であった.誘導能では4/6(67%)にペプチド特異的CTLを誘導可能であった. 以上の結果からSART-3遺伝子が口腔癌患者の特異的免疫療法になりうる可能性が示唆された.
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