2001 Fiscal Year Annual Research Report
Tissue Engineeringを応用した神経ペプチドの骨増成機転調節機構
Project/Area Number |
13771248
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
世良 仁 福岡歯科大学, 歯学部, 助手 (30320336)
|
Keywords | 培養 / 骨芽細胞 / 仮骨延長法 / 免疫組織化学染色 / 新生血管 |
Research Abstract |
骨芽細胞培養手技の確立とそれを応用した仮骨延長法における新生骨形成過程の神経ペプチドの動態と新生血管の評価を中心に検討を行った。 1)骨芽細胞の培養 骨芽細胞はラット大腿骨から採取し、得られた細胞はpH7.4に調整したRPMI-1640培地、10%胎仔ウシ血清中で培養した。各種条件の違いが培養細胞の発育に影響を及ぼすことが解明され、急速な骨芽細胞の培養が可能であることが示唆された。 2)病理組織学的検討 標本採取はラットを脱血後灌流固定し、大腿骨の摘出を行い仮骨延長部の病理組織学的な検索を行った。観察方法としては一般染色としてH・E染色、免疫組織化学的な神経繊維の検索には微細な神経繊維の再現まで可能であるとされるProtein Gene Product 9.5(PGP 9.5)、また栄養神経的要素を持つとされているCalcitonin gene-related Peotide(CGRP)、Substance P(SP)陽性線維について検討を行う予定であったが、脱灰操作を要するため良い標本が得られず今後さらなる検討が必要であった。 免疫組織化学標本はCell Analysis System(CAS)を用い各抗体陽性線維についての面積比率を算出し各抗体陽性比率の経時的変化を検索する予定である。 3)血管網の3次元的観察 ラットを脱血灌流後、メルコックス(大日本インキ)を注入し血管構築を行った。水酸化カリウムによる軟組織溶解後、新生骨中の血管網を走査型電子顕微鏡(JEM-T330)にて観察、三次元的な評価を行った。対照群と比較し培養細胞を用いた群ではより旺盛な骨新生ならびに新生血管を認めた。これにより培養骨芽細胞が骨修復過程において有用であることが考えられた。今後、透過型電子顕微鏡(JEM-1200EX)を用いて神経繊維と新生血管の超微細構造を評価したいと考える。
|