2001 Fiscal Year Annual Research Report
培養歯根膜細胞における血管内皮細胞増殖因子の誘導とそのメカニズム
Project/Area Number |
13771252
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
菊入 崇 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10322819)
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Keywords | 歯根膜細胞 / 機械刺激 / 血管内皮増殖因子 |
Research Abstract |
歯根膜細胞は、単なる歯槽骨と歯を結ぶ結合組織として働いているだけでなく、歯周組織の維持や歯槽骨のリモデリングに強く関与していることが明らかにされている。実際の口腔内では歯根膜細胞は、歯を通じて常に咬合力や舌・頬粘膜からの機能圧を受けている。こうした機能圧によって歯根膜細胞が様々な反応を示すことが判明している。例えば対咬歯を失った歯の歯根膜は、その幅が有意に減少し、その組織像は歯根膜組織中の毛細血管が脆弱化縮小、その数も減少することが報告されている。しかし再び咬合力を加えると、歯根膜の幅は元の太さに回復し、毛細血管も元の数に回復することが報告されている。 そこで本研究者は、このような現象が起こる原因の候補の一つとして血管内皮増殖因子が関与していると推測した。実験方法として、培養歯根膜細胞に対し機械刺激を与え、血管内皮増殖因子の応答性を非機械的刺激と比較・検索した。つまり、培養歯根膜細胞に対し機械刺激の負荷を与え、血管内皮増殖因子のmRNAの発現の強弱および産生されたタンパクの定量を行った。その結果、mRNAの発現は機械刺激で有意に増加し、タンパク量もmRNAの発現と比例して増加していることが確認された。また、機械刺激による血管内皮増殖因子の増加は、機械刺激の強度および頻度の両方に影響されることが判明した。 以上の結果は、歯根膜の形態および機能が咬合力によって影響を受けていることを分子生物学的に証明したものであり、また歯根膜の特性を理解・解明するうえで極めて重要と考えられた。この結果を第80回International Association for Dental Research(Sandiego)にて発表した。今後は、機械刺激に対する歯根膜細胞の細胞内シグナルについて検索する予定である。
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