2001 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性細菌の培養上清中に存在する新規マクロファージ致死毒素の構造決定
Project/Area Number |
13771259
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
金輪 真佐美 (福永 真佐美) 広島大学, 歯学部, 助手 (00284208)
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Keywords | Actinobacillus actinomycetemcomitans / マクロファージ / 致死 / U937細胞 |
Research Abstract |
歯周病原性細菌の一つであるActinobacillus actinomycetemcomitans (A.a.)は宿主の免疫防御システムを破壊することが知られているが、そのメカニズムについては依然不明な点が多い。従って、本研究では免疫担当細胞の一つであるマクロファージ(U937細胞)に対するA.a.の病原性をU937細胞に対するA.a.の細胞障害性とA.a.によるU937細胞の致死様式から検討し、A.a.の細胞障害性因子の精製に着手した。なおU937細胞に対するA.a.の細胞障害性はトリパンブルー染色法によっで検索した。A.a.(Y4株)はB.H.I.培地を用い嫌気下で増殖させた後、1,000×gの遠心によって培養上清と菌体に分離した。菌体と培養上清はそれぞれPMAを培地に添加し72h培養後、接着能を誘導したU937細胞(PMA-U937細胞)とPMA無添加で培養したU937細胞(N-U937細胞)に作用させた。A.a.菌体とU937細胞を100:1の割合で37℃で30分間インキュベートすると、PMA-U937細胞は約50%にトリパンブルーの取り込みを認め、PMA-U937細胞の細胞障害性はN-U937細胞の約5倍であった。対数増殖期で採取したA.a.培養上清中にU937細胞を37℃で30分間インキュベートすると、PMA-U937細胞は約90%の細胞にトリパンブルーの取り込みを認めた。以上のことよりA.a.の細胞障害性は、U937細胞の分化に影響されること、致死活性は、U937細胞が分化すると増加することが示された。次にA.a.の細胞障害性因子の分子量を推定するためにA.a.の培養上清の70%硫安分画についてゲルろ過クロマトグラフィーを行った。しかし、現在のところ活性が失活し分子量の推定はできていない。
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Research Products
(1 results)