2001 Fiscal Year Annual Research Report
レンサ球菌群に共有される新奇なフィブロネクチン結合性物質の解析
Project/Area Number |
13771274
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
五月女 さき子 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (20325799)
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Keywords | フィブロネクチン / 細胞内基質タンパク / 抗イディオタイプ抗体 / モノクローナル抗体 / Granulicatella(Abiotrophia)adiacens / レンサ球菌 / 口腔内細菌 |
Research Abstract |
感染症の発症においては、細菌の細胞外基質タンパクへの付着が重要な役割を示しており、中でもフィブロネクチン(Fn)との関連が重要視されている。私の所属する研究室では、心内膜炎原因菌のひとつであるGranulicatella(Abiotrophia)adiacensの固相化ヒトFnへの付着能を阻害する抗Fnモノクローナル抗体(mAb ; Fynit-I01)を樹立し、これがFn分子のポリペプチド中央領域を認識することを明らかにしている。菌体表層のFn結合物質を同定・解析するための菌体受容体を認識するmAbを得る目的でFynit-I01に対する抗イディオタイプmAbの作製を試みた。まずFynit-I01を同系統のBALB/cマウスに免疫した。数回の融合実験により、G.adiacensに対する結合性を有する抗イディオタイプ抗体産生ハイブリドーマ細胞が18株得られたが、G.adiacensに対する結合活性は弱く、本菌のFnに対する付着を十分に阻害することはできなかった。また追加免疫により免疫応答増強を試みたが、目的とするmAbを得られなかった。そこで、免疫するマウスを同系統のBALB/cからアロジェニツクのA/Jマウスへと変更し、抗イディオタイプmAbの作製を試みたところ、G.adiacensとFynit-I01の両者に結合性を有する可能性のあるものが28株得られており,現在その特異性とクローンの安定性を確認中である。目的のハイブリドーマ株については,さらにFnに対するG.adiacensの付着を阻害する能力およびFnに対するmAbの結合を阻害する能力を確認しつつ、クローニングを繰り返すことでmAbを確立し、菌体のFn結合物質の同定・解析を行う予定である。
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