2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13771281
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
石田 瞭 昭和大学, 歯学部, 助手 (00327933)
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Keywords | ビデオX線透視撮影 / 超音波診断装置 / 舌骨 / 2次元運動解析 / 咀嚼 / 嚥下 |
Research Abstract |
舌骨運動解析は、ビデオX線透視撮影(VF)による方法が一般的であるが、本研究では操作が容易で生体為害作用がほとんど無い超音波診断装置(US)による舌骨運動解析法の確立が目的である。 2年度はまず、初年度に構築したVFとUSの併用による同時計測システムの改良を行った。初年度使用したUSプローブ固定装置は非可動性のため、水分嚥下時はともかく、固形食物での計測時にはプローブが顎運動を妨げた。このため、自由に顎運動ができる可動性のプローブ固定装置を新規作成し、実用可能であることを確認した。 次に、顎下部をエコーウインドとしたUS(Bモード)矢状断像上の、舌骨運動に伴うhypoechoicエリアについて詳しく検討した。hypoechoicエリアは、深部に開いた扇形を呈するが、今回の計測点はその頂点部分とした。本研究の主旨に理解が得られた9名(男性4名、女性5名、平均年齢37.8歳)に対し、5ml、10ml、20mlの低濃度(40%w/v)、高濃度(160%w/v)バリウムを嚥下時してもらい、VFの舌骨運動軌跡とUSのhypoechoicエリアの運動軌跡を比較した。 結果1.VFによる舌骨移動計測結果に比較して、USの結果は水平成分が長く、垂直成分が短い傾向を示し、個人差を認めるものの口量や濃度に関わらず、全対象者に共通であった。 結果2.VFならびにUSによる計測結果は、垂直成分よりも水平成分の移動に高い相関性がうかがえた。 結果3.嚥下に伴う舌骨運動開始時と、最前上方到達時、運動終了時点におけるタイミングはVF、US間で高い相関性が得られた。USでは舌骨の実像ではなく、画像情報として不安定なhypoechoicエリアをプロッティングしたことから、垂直成分においてばらつきが大きくなったことはやむを得ないものと思われる。しかし、水平成分を主とした嚥下運動のタイミングについては信頼性が高く、US画像解析に有用であることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 石田 瞭, 配島弘之, 向井美恵, 遠藤 敦, 岡野友宏: "超音波診断装置による舌骨運動解析-VFとUSの併用による嚥下時の比較-"歯科放射線. 42. 39 (2002)