2001 Fiscal Year Annual Research Report
咬合接触面積の断層的変化により咀嚼機能を評価する、咀嚼障害の前兆を把握する
Project/Area Number |
13771284
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
小松崎 明 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (60256980)
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Keywords | 咬合接触面積 / 咀嚼機能 / レーザー透過光 / 歯冠体積 / 咬合面形態 |
Research Abstract |
今年度は、乳歯列者(健全群、齲蝕経験低群・齲蝕経験高群)、永久歯列者(健全群、補綴群)を対象に、レーザー透光法等により研究を実施し、現在までに次のような知見を得た。 1.レーザー透光法による咬合接触面積の断層的評価をワックス厚み0.2mmから1.6mmの範囲で0.2mmごとに実施し、各群ともに歯冠形態に応じた面積変化が確認できた。各群ともワックス厚みの小さい領域での咬合接触面積は狭小であり、乳歯列各群でのワックス厚み0.4mmまでの咬合接触面積平均値は約10mm^2以下の値となっていた。乳歯列群、永久歯群ともに、健全群より齲蝕経験群、補綴群が咬合接触面積が大きい傾向を示していたが、同領域の歯冠相当部体積の平均値では、乳歯列健全群で149mm^3、齲蝕経験低群で136mm^3、同高群で117mm^3と減少したのに対し、永久歯列健全群では194mm^3、同補綴群では252mm^3と傾向が異なっていた。これらの点から、咬合接触点を含む咬合平面周囲を三次元的に評価する方法の利点が明確に示された。 2.咬合接触面積の断層的変化を各群間で比較するため、ワックス厚み0.2mmから1.6mmの範囲の0.2mmごとの咬合接触面積の平均値を元に、二次関数式(a1x+a2x^2+b)を作成し、その係数a1、a2を比較した。その結果、各群のa1の値は乳歯列健全群で0.016、齲蝕経験低群で0.015、同高群で0.015、永久歯列健全群で0.008、同補綴群では0.005となっており、a2についても同様の傾向を示していた。これら値から、口腔状況の変化による咬合面の平坦化、三次元的な咬合関係の変化を単純に把握し、咀嚼障害の発生を予測できる可能性が示された。 以上から、本研究の継続により、申請時に示した研究目的を達成できると考えられる。
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