2002 Fiscal Year Annual Research Report
咬合接触面積の断層的変化により咀嚼機能を評価する、咀嚼障害の前兆を把握する
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13771284
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
小松崎 明 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (60256980)
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Keywords | 咬合接触面積 / 咀嚼機能 / 咀嚼障害 / 透過レーザー法 / 歯冠体積 / 乳歯列期 / 齲蝕経験 / 咬合平衡 |
Research Abstract |
前年度に引き続き幼児および成人をとした研究を実施し,6月までに得られた結果を断面的に分析し,その結果については,Inter-Congress of IUAES 2002(人類学雑誌111-1,P139)および日本口腔衛生学会(同雑誌52,P288-289)において報告した。続いて研究最終年度のまとめとして継続的な分析を実施し,幼児対象者のうち1年6か月間追跡したA群(3歳クラス後期から6か月ごとに3回資料を得た群:26名),およびB群(同4歳クラス後期から:27名)について咬合接触面積の三次元的な推移を中心に分析を進め,これまでに下記のような知見が得られた。 (1)A群,B群ともに2回目,3回目と期間を経るごとに咬合接触面積は増加し,ワックス厚みレンジ(以下レンジとする)の小さい領域においてその傾向が強い。初回と3回目の採得時の面積をレンジ別に比較するとレンジ0.2mmではA群で3.7倍,B群で2.8倍だったのに対して,レンジ1.6mmではA群,B群ともに1.2倍であり,レンジの値が大きいほど増加の幅は小さいものとなっていた。 (2)咬合接触面積の三次元的推移から歯冠形態の変化を予測するため,各採得時の値の平均値から二次関数(y=a1x+a2x^2+b)を得て係数を比較したところ,各採得時で傾向が異なり,B群ではa2の値が3回とも60〜80と近似しているのに対して,A群では同3〜95と大きく異なっており,このことは歯冠形態の変化を反映していると考えられる。 また,成人対象者については同様に1年6か月の間に2か月以上の間隔を空けて複数回咬合採得が実施できた11名(すべて部分床義歯か架工義歯装着者)について分析を進め,咬合接触面積についてレンジの小さい領域で変動幅が大きな傾向を認めるなどの知見を得た。
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