2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13771304
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野崎 剛徳 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (30263304)
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Keywords | 歯根膜組織 / mRNA / cDNAライブラリ / 遺伝子発現頻度 / 歯根膜由来細胞 |
Research Abstract |
本年度は歯根膜組織に特異的に発現する遺伝子の同定を目的として以下の実験を行った。 まず、便宜抜去されたヒト小臼歯の根面より歯根膜組織を採取し、その半量を用いてmRNAの抽出を行なった。そして得られたmRNAをテンプレートとし、pUC119にoligo-dTを付加したベクタープライマーを用いて逆転写反応を行ってcDNAを合成した。その後、制限酵素MboIを用いてインサートを切り出し、再度pUC119にサブクローニングして歯根膜組織由来mRNA3'末端cDNAライブラリを作成した。この方法によって作成されたcDNAライブラリはインサートに完全長のcDNAを有しているとは限らないものの、ヒト歯根膜由来細胞株から作成したcDNAライブラリとは異なり、細胞培養によって起こりうる遺伝子発現の構成変化を排除することが可能であるため、生体の組織におけるヒト歯根膜細胞の遺伝子発現構成を忠実に反映したものであると考えられる。現在、この歯根膜組織由来mRNA3'末端cDNAライブラリより約1700個のクローンを無作為に選出して塩基配列の決定をなうとともに、得られた塩基配列について遺伝子バンクに登録されている既知遺伝子との相同性検索を行っている。さらに、各クローンの出現頻度をもとに遺伝子発現頻度を解析している。 一方、採取した歯根膜組織の半量より、組織検体処理装置を用いて細胞懸濁液を作成し、得られた細胞を10%FCS添加αMEM培地中で培養してヒト歯根膜由来細胞株を作成した。この歯根膜由来細胞株は今後、上述の実験により同定された遺伝子が歯根膜由来細胞の分化増殖や硬組織形成に与える影響を検討するための実験に使用する予定である。
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