2001 Fiscal Year Annual Research Report
カンピロバクター・レクタスの歯周局所への定着機構の解明
Project/Area Number |
13771307
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
横山 希実 徳島大学, 歯学部, 助手 (40325270)
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Keywords | カンピロバクター・レクタス / 歯周病原細菌 / 歯周病 / 細胞接着 / ヒト歯肉線維芽細胞 |
Research Abstract |
本年度はCampylobacter rectus ATCC 33238のヒト歯肉線維芽細胞(HGF)およびプラスチックに対する接着能について調べた。接着実験では、液体培地にて培養した菌体を遠心洗浄した後DME培地に懸濁し、マルチウエルプレートの各ウエルに添加して一定時間培養し、接着した菌体を抗C. rectusウサギ血清を用いたELISA法にて定量した。 菌体がHGFに対して為害作用を及ぼさない条件を探るため、0D_<650>=0.8に調整した菌液を段階希釈して細胞に添加した後、HGFのViabilityと菌の接着量を同時に調べた。その結果、2倍希釈した菌液を加えてもViabilityに影響は認められず、しかも、阻害実験を行うに十分な接着量が認められたため、以降の実験を同条件下で行うこととした。 レクチン様物質の関与を確かめるため、D-ガラクトース、N-アセチルガラクトサミン、N-アセチルノイラミン酸等の、糖の影響について調べたところ、HGFに対する接着においてN-アセチルグルコサミンで約30%の阻害が認められた。予備実験において、5%のウシ胎児血清がHGFへの接着を50%以上抑えることが分かったため、アルブミン、トランスフェリン等の血漿成分、およびヒト分泌型IgA、ヒスタチン等の唾液に含まれる成分の影響についても調べたが、最終濃度0.5mg/mlで、HGFへの接着に対して明らかな阻害は認められなかった。一方、プラスチック表面に対しては分泌型IgAで、70%近い阻害が認められた。 今後はATCC33238以外の菌株を用いて菌株間での違いを調べ、これに関連する菌体表面の構造物について検索していく予定である。
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Research Products
(1 results)