2001 Fiscal Year Annual Research Report
DNAチップを用いたヒト有細胞セメント質由来細胞特異的遺伝子発現パターンの解析
Project/Area Number |
13771309
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山本 松男 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (50332896)
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Keywords | セメント質 / DNAチップ / 遺伝子発現 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
当研究課題に対して平成13年度はDNAチップを用い、包括的な遺伝子発現のパターンを解析する第一歩として、セメント質由来細胞および正常骨芽細胞からトータルRNAの分離を行った。正常骨芽細胞に関してはRT-PCR法による遺伝子発現の予備解析を行ったところ、アルカリフォスファターゼ遺伝子の発現が確認され、また骨芽細胞分化のマーカーとして知られているオステオカルシンが低い程度で検出されたことから、前骨芽細胞から骨芽細胞へ分化が進みつつある段階であることが推察された。ヒト有細胞セメント質由来細胞に関しては、アルカリフォスファターゼ遺伝子の発現は骨芽細胞に比較すると低いことが確認された。しかし、その他の骨関連マーカーであるオステオカルシン・オステオポンチン、1型コラーゲンや骨形成因子(BMP : Bone Morphogenetic Protein)およびその受容体に関しては両細胞共に発現が確認された。 類似した硬組織由来の細胞から分離された遺伝子の発現を比較するためには、細胞を十分に増殖させて分離作業を行う必要がある。本年度は共に十分量のトータルRNAを採取し、ノーザンブロット法を応用し、両者のRNAの品質が良好であることを確認した。 DNAチップに関してはチップの供給体制の変更によりメンブレンタイプに形式を変更した。RNAサンプルの標識方法が蛍光色素を用いる方法から33P-ATPを用いる方法に変更する必要があった。検出方法はイメージアナライザーを用いて、読み取り機器を介したコンピューターによる画像解析の手法を用いている。 現在までに第一回目の検出を行った。恒常的に発現されていることが知られているハウスキーピング遺伝子で発現を検出できたが、検出そのものの安定を図る必要から、現在実験条件の検討を重ねている。
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