2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト線維芽細胞におけるIL-1β依存的PGE2産生の細胞内シグナル伝達機構の解明
Project/Area Number |
13771313
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
林 義典 昭和大学, 歯学部, 助手 (90327940)
|
Keywords | ヒト線維芽細胞 / IL-1β / PGE2産生 / 細胞内シグナル伝達分子 |
Research Abstract |
ヒト線維芽細胞におけるIL-1β依存的PGE2産生の細胞内シグナル伝達機構を明確にする目的で、本年度はヒト歯肉線維芽細胞(HGF)を用い、IL-1βで刺激したHGFにおけるMAPK(ERK1/2,JNK1/2,p38)、IKK1/2、IκBαの活性化、c-Fos,c-JunのmRNA発現、AP-1,NFκBのDNA結合、COX-2,cPLA2,membrane PGEs(mPGEs)のmRNA発現およびPGE2産生を検討し、以下に示す結果を得た。 (1)IL-1βはCOX-2,cPLA2,membrane PGEs(mPGEs)のmRNA発現およびPGE2産生を濃度依存的、時間依存的に促進した。(2)IL-1βは3種のMAPK(ERK1/2,JNK1/2,p38)の全蛋白量を変化させずにこれらの分子のリン酸化を促進し、またその後のc-Fos,c-JunのmRNA発現を誘導した。(3)IL-1βはIKK1/2蛋白の発現およびそのリン酸化を促進し、またIκBαのリン酸化とdesociationを誘導した。(4)IL-1βはAP-1とNFκBのDNA結合を誘導した。 以上の結果から、HGFにおけるIL-1βの細胞内シグナル伝達には、MAPK-AP-1カスケードとIKK1/2-IκBα-NFκBカスケードが関与していると考えられる。現在、これら2つのカスケードの阻害薬を用いてこれらのカスケードを介したIL-1β依存的なPGE2産生の機構を明確にすることを検討している。
|