2002 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病関連細菌菌体表層成分が線維芽細胞におよぼす影響
Project/Area Number |
13771320
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
大口 将弘 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (00319196)
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Keywords | Acinobacillus actinomyectemcomitans / LPS / IL-6 / IL-8 / 線維芽細胞 / capsular polysaccharide antigen |
Research Abstract |
歯周病関連細菌であるAcinobacillus actinomyectemcomitans(以下A.a.)の宿主に対する影響が菌体内また菌体外産物を用い調べられている.我々は,A.a.莢膜多糖抗原(capsular polysaccharide antigen以下CPA)に着目し,CPAの破骨細胞形成能ならびに骨吸収活性について研究してきた.しかし,CPAの歯肉線維芽細胞(human gingival fibroblast以下HGF)におよぼす影響についての報告は見られない.そこで今回,HGFをCPAで刺激した場合の炎症性サイトカインであるIL-6,IL-8に対する影響について調べることとした.A.a.は血清型b型のY4株を使用し,Amanoら(Infect. Immun. 1989:57, 2942-2946)の方法に従いCPAを精製した.また,LPSは温フェノール-水抽出法により精製した.HGFは,愛知学院大学歯学部附属病院歯周病科において歯周基本治療の終了した患者から歯肉組織を採取し,各組織片からHGFをout growthさせ,37℃5%CO_2条件下10%牛胎児血清添加ダルベッコ変法イーグル培地で4-10代継代したHGFを実験に使用した.HGFは2×10^4個に調製し48穴プレートに播種した.A.a.CPA(1〜100μg/ml),LPS(1μg/ml)を添加し,3-24時間培養した.培養上清を回収し,上清中のIL-6,IL-8はELISA kitにて測定した.さらに抗CPAモノクローナル抗体(100μg/ml)をHGFと共培養した場合の培養上清も同時に調べた.添加した各刺激因子によるHGF形態を調べるため走査型顕微鏡で観察し,比色定量法により生細胞数を測定した. 本研究より(1)HGFに添加した各刺激因子の有無にかかわらず,HGFの形態と細胞数に変化は見られなかった.(2)CPA添加によりHGFからのIL-6とIL-8の産生が抑制された.(3)LPSにより刺激されたHGFからのIL-6とIL-8の産生もCPA添加により抑制された.(4)CPAによる抑制効果はCPAに対するモノクローナル抗体の添加により完全にブロックされた.今回の報告より,CPAは,破骨細胞のみならずHGFにも影響をおよぼすことが明らかとなった. 本研究をJ. Periodontal. Res2003:38, 191-197にまとめ報告した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ohguchi Y, Ishihara Y, Ohguchi M, Koide M, Murase Y, Naganawa T, Nishihara T.: "Actinobacillus Actinomycetemcomitans capsular polysaccharide inhibits IL-6 and IL-8 production"Journal of Dental Research. 80. 768 (2001)
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[Publications] Ohguchi Y, Ishihara Y, Ohguchi M, Koide M, Shirozu N, Naganawa T, Nishihara T, Noguchi T.: "Capsular polysaccharide from Actinobacillus actinomycetemcomitans inhibits IL-6 and IL-8 production in human gingival fibroblast"J Periodontal Res. 38(2). 191-197 (2003)