2001 Fiscal Year Annual Research Report
ミセル形成能を利用するデンドリマー型不斉触媒の創製
Project/Area Number |
13771332
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
滝澤 忍 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (50324851)
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Keywords | ミセル / 界面活性モノマー / 高分子 / 光学活性 / 触媒 / 不斉配位子 / 自己分子集合 / ナノ粒子 |
Research Abstract |
機能性物質創製の鍵化合物であるデンドリマーと界面活性剤の自己分子集合体である球状ミセルはマクロな視点からは同一形状と見なせる。そこで水中での重合反応により球状ミセルを不可逆的に固定化するデンドリマー類似型触媒の効率的構築法開発とその応用研究を行った。まず、新規な界面活性モノマーを合成した。これらモノマーの界面活性能は臨界ミセル濃度(CMC)を測定することで確認した。合成した界面活性モノマーの水中での重合反応を検討した結果、ラジカル開始剤として、トリエチルボラン、ペルオキソ2硫酸カリウムを用いた場合に、平均分子量50〜10万程度のポリマーが得られた。得られたポリマーの形状を走査型トンネル顕微鏡(STM)、及び原子間力顕微鏡(AFM)を用い観察したところ、直鎖のポリエチレン部位から構成される平均分子量50万のポリマーは、大きさが80nm以下のロッド状ポリマーであることが確認された。ビナフトール誘導体から構成される平均分子量18万のポリマーは、大きさが15nm以下の球状ナノ粒子であることが確認された。さらに得られた球状ポリマーを不斉Hetero Diels-Alder反応に適用したところ、化学収率99%、光学収率39%で環化生成物が得られたことから、本法により合成した光学活性ポリマーは生成物の光学収率には不満があるものの不斉触媒として機能することが分かった。現在、光学収率の向上、他の不斉反応への適用、及び再利用システムの構築等を検討している。
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