2002 Fiscal Year Annual Research Report
植物防御物質としてのエラジタンニン生合成調節機構の解明
Project/Area Number |
13771333
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
谷口 抄子 岡山大学, 薬学部, 助手 (20243488)
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Keywords | エラジタンニン / 植物組織培養 / ツキミソウ / シナアブラギリ / 生合成 |
Research Abstract |
本研究では,エラジタンニンの生合成に関する調節機構を明らかにする目的で異なるタイプのエラジタンニン生産培養株2種を利用し実験を行った. すなわち,大環状エラジタンニンを生産するアカバナ科のツキミソウ(Oenothera tertraptera Cav.)培養シュートは,植物体の再生が可能であった.本培養シュートは,未分化な状態では,ガロイルグルコース類を多量生産し,植物体再生過程において,植物組織の分化に伴って,エラジタンニン単量体,ついで2量体が生産される事が明らかとなった.ツキミソウの培養シュートおよび植物体の生長過程において,大環状エラジタンニンオリゴマーの生産と組織の分化は密接な関係がある事が示された. また,トウダイグサ科シナアブラギリ(Aleurites fordii Hemsl.)培養カルスを用い,以下の結果を得た.1:シナアブラギリ培養カルスは,β-glucogallinからの生合成経路を反映した低分子のガロイルグルコース類5種およびデヒドロエラジタンニンgeraniinを生産した.2:未分化な状態の細胞同様,母植物においても新芽ではpenta-GGが生産されることが明らかとなった.3:光照射によりpenta-GGの生産は促進されるが,geraniinの生産はあまり影響を受けなかった.4:培地中の窒素濃度によりgeraniinの生産は影響を受け,窒素濃度が低い時,その生産は促進されたがpenta-GGの生産はあまり影響を受けなかった. 一連の研究において,penta-GGがエラジタンニンやデヒドロエラジタンニンの前駆体である事をさらに裏づけた.それぞれの植物において植物体の生長に伴い,タンニン生産能力が上昇し,一気に酸化や重合の進んだ化合物が多量に蓄積されると考えられる.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shoko.TANIGUCHI et al.: "Hydrolysable tannin production in Oenothera tetraptera shoot tissue"Plant Biotechnology. 19. 357-363 (2002)
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[Publications] Shoko.TANIGUCHI et al.: "Accumulation of hydrolyzable tannins by Aleurites fordii callus culture"Planta Medica. 68. 1145-1146 (2002)