2002 Fiscal Year Annual Research Report
コンビナトリアルアプローチによる人工加水分解酵素の開発
Project/Area Number |
13771347
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
日置 英彰 徳島文理大学, 薬学部, 助教授 (00208737)
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Keywords | カリックスアレーン / コンビナトリアル化学 / ホストゲスト化学 / 分子認識 |
Research Abstract |
昨年度筆者はカリックス[4]アレーンのupperrimを基質結合部位としたペプチドカリックスアレーンライブラリーの構築法を確立し,カリックスアレーンに2本のペプチドアームをつなげて3375種類からなるライブラリーを合成した.さらにこのライブラリーからクロロホルム中でペプチド誘導体(ゲスト)と強く結合するレセプター分子を見出すことができた.しかし合成したライブラリーは親水性溶媒に対する溶解度が極端に低く,このライブラリーメンバーは人工加水分解酵素には適さないことがわかった. そこで,カリックスアレーンの基質結合部位となるlower rimにポリエチレングリコールユニットを導入し,upper rimにつなげるペプチドアームを2本から4本に増やして親水性を高めたカリックスアレーン誘導体を合成した.ビルディングブロックには主に親水性のアミノ酸を用い,3375種類からなるライブラリーを合成した.ゲストとして親水性の色素で標識したペプチド誘導体4種類を合成し,pH7緩衝液:メタノール=1:1の混合溶媒中でスクリーニングを行なった.その結果,ライブラリーメンバーからゲストに特異的に結合するペプチドカリックスアレーン誘導体を見出すことができた.その誘導体のアミノ酸配列を調べたところ,ゲストに塩基性アミノ酸を含むゲストは酸性アミノ酸を含むホストと,酸性アミノ酸を含むゲストは塩基性アミノ酸を含むホストと結合しており,イオン性の相互作用が大きく働いていることがわかった.現在は,親水性色素でラベルしたチロシンのフェノール水酸基をリン酸化した遷移状態アナログを合成している.合成が完了次第,先のライブラリーとスクリーニングを行なって,人工加水分解酵素の候補となりうるホストを見つける予定である.
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Research Products
(1 results)