2001 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化病巣におけるマクロファージ泡沫細胞の細胞内脂質貯蔵機構の解析
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13771388
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
藤本 康之 帝京大学, 薬学部, 助手 (60317724)
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Keywords | 動脈硬化 / マクロファージ / 泡沫細胞 / 細胞内脂質顆粒 |
Research Abstract |
動脈硬化症では血管壁に脂質が異常蓄積することにより病巣が生じる。この病巣形成のきっかけとして、血中の変性リポ蛋白がマクロファージに貪食された結果、中性脂質が細胞内に顆粒状に蓄積する「泡沫化」が着目されている。本研究の主眼はマクロファージ泡沫化のしくみを解明するための一助として、細胞内脂質顆粒に存在する蛋白を解析することにある。本年度の実績としては、まず、動脈硬化病巣におけるマクロファージ泡沫細胞のモデルとして、マウスマクロファージ系細胞株J774に変性リポ蛋白を貪食させてin vitroで泡沫細胞を調製した。この泡沫細胞を破砕後にショ糖密度勾配遠心により分画することで細胞内脂質顆粒を単離した。次に、細胞内脂質顆粒に存在する蛋白を解析するために、細胞内脂質顆粒調製法のスケールアップのための最適化法を確立した。このようにして調製した細胞内脂質顆粒に存在する蛋白をSDS-PAGEにより解析したところ、再現性よく特定の蛋白群が検出された。J774細胞に貪食させるリポ蛋白の種類を変えて同様の検討をおこなったが、細胞内脂質顆粒に検出される蛋白のパターンに大きな違いは見られず、脂質顆粒蛋白は貪食される前のリポ蛋白の状態やリポ蛋白の脂質組成には依存しないことが考えられた。さらに、ヒト末梢血単球由来マクロファージを用いた場合でも細胞内脂質顆粒から同様の蛋白が検出され、J774細胞から得られた結果は動物種を越えて一般化できることがわかった。したがって、J774細胞を用いた実験系はヒト動脈硬化の研究においても十分に通用するモデルであると結論した。また、脂質顆粒の主要蛋白の1つについて免疫化学的手法により細胞内分布を解析したところ、脂質顆粒に特異的に分布することが確認された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Mori M., Itabe H., Higashi Y., Fujimoto Y., Shiomi M., Yoshizumi M., Ouchi Y., Takano T.: "Foam cell formation containig lipid droplets enriched with free cholesterol by hyperlipidemic serum"Journal of Lipid Research. 42・11. 1771-1781 (2001)