2001 Fiscal Year Annual Research Report
新規CD28ファミリー分子AILIMを介するシグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
13771389
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
原田 陽介 東京理科大学, 生命科学研究所, 助手 (20328579)
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Keywords | 補助シグナル / T細胞活性化 / AILIM / ICOS / CD28 |
Research Abstract |
CD28分子は、T細胞の増殖、アポトーシスの抑制、サイトカインの産生などT細胞の活性化とそれに続く機能発現に広くかかわっていることが明らかになっている。最近クローニングされた第3のCD28ファミリー分子であるAILIM/ICOSは、これまでの研究からCD28シグナルと同様にT細胞の増殖やIL-4,IFN-γの産生を誘導するが、CD28シグナルとは違い、IL-2産生の増強をほとんど起こさないことが分かっている。そこで我々はこのような違いがどのようなシグナル伝達経路の違いで生まれてくるのかを解析するために実験を行った。 CD28の細胞内領域にはYMNM motifが存在し、PI3-kinaseとGrb2が結合することが知られている。一方、AILIMは同じ位置にYMFM motifが存在しておりPI3-kinaseは結合するがGrb2は結合しない。我々はAILIMシグナルがIL-2産生を誘導しない理由の一つがGrb2の結合が無いことにあるのではないかと考え、AILIM分子にGrb2を結合させるためにYMFM motifのフェニルアラニンをアスパラギンに置換した変異AILIM遺伝子(AILIM YMNM)を作製し、IL-2プロモーターの活性化に対する効果を検討した。Jurkatを用いてIL-2 promoterの活性化を検討したところAILIM WTはほとんどIL-2プロモーターの活性化を誘導しなかったのに対し、AILIM YMNMは十分な活性化を誘導した。この結果はGrb2の結合の有無を決定する1アミノ酸の違いがCD28とAILIMシグナルの機能的な違いを決定する要因の一つであることを示唆している。
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[Publications] Harada, Y.: "Novel role of phosphatidylinositol 3-kinase in CD28-mediated costimulation"J Biol Chem. 276. 9003-9008 (2001)
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[Publications] Harada, Y.: "Critical requirement for the membrane-proximal cytosolic tyrosine residue for CD28-mediated costimulation in vivo"J Immunol. 166. 3797-3803 (2001)