2001 Fiscal Year Annual Research Report
バイオイメージングのためのチロシンリン酸化プローブの開発
Project/Area Number |
13771401
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
河合 洋 国立医薬品食品衛生研究所, 生物薬品部, 研究員 (20321854)
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Keywords | バイオイメージング / チロシンリン酸化 / 蛍光プローブ / CFP / YEP / FRET / Grb2 / Ash / Shc |
Research Abstract |
2種類の蛍光タンパク質cran fluorescent protein (CFP)及びyellow fluorescent protein (YFP)、チロシンリン酸化されるペプチド、そのリン酸化されたチロシンを認識して結合するsrc homology (SH)2ドメインとを用い、fluorescence resonance energy transfer (FRET)を利用した、チロシンリン酸化可視化のための蛍光プローブをデザイン、開発した。CFP-SH2-チロシンペプチド-YFPという融合タンパク質をデザインした。このタンパク質のチロシンペプチド部分がチロシンリン酸化されると、SH2ドメインと分子内結合してコンフォーメーション変化を起こす。その結果CFP、YFPの相対的な位置が変化し、FRET効率が変化する。この蛍光変化によりチロシンリン酸化を測定することが出来ると考えられる。 SH2としてGrb2/Ash、チロシンペプチドとしてShcの一部(21残基)を用い、pECFP-Cベクター(clontech)を骨格として融合タンパク質発現プラスミドを作製した。これをリポフェクション法によりHeLa細胞に遺伝子導入して融合タンパク質を発現させ、抽出、粗精製した後、CFPの励起波長である433nmで励起した時の蛍光を測定した。融合タンパク質はCFP、YFPの蛍光波長である475nm、527nmにピークをもつスペクトルを示した。 バナジウム刺激によりチロシンリン酸化を亢進させると、475nmと527nmの蛍光強度比が変化した。これはFRET効率の変化を示しており、このプローブが意図した通りチロシンリン酸化反応を捉えていることを示す。DFP、SH2、ペプチド、YFP各部分の間をつなぐリンカーを変化させて蛍光強度比変化量の増大を試みたところ、10〜15%程度の変化を示すプローブが得られた。
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