2001 Fiscal Year Annual Research Report
パーオキシナイトライトによるシトクロムc修飾作用のアポトーシス様細胞死への関与
Project/Area Number |
13771417
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
中川 秀彦 放射線医学総合研究所, レドックス制御研究グループ, 主任研究員 (80281674)
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Keywords | パーオキシナイトライト / シトクロムc / アポトーシス / ミトコンドリア / チロシンニトロ化 / カスパーゼ / 活性酸素種 / 蛋白質修飾 |
Research Abstract |
(1)パーオキシナイトライト修飾シトクロムcによるカスパーゼ-3活性化能のin vitro系による検討 パーオキシナイトライト(PN)がシトクロムc(cyt.c)に作用した場合、チロシン残基がニトロ化修飾され、さらに電子伝達活性に変化が生じることをこれまでに示した。cyt.cはアポトーシスにおけるカスパーゼ活性化カスケードにおいても重要な役割を果たすことが知られるため、PNによって修飾されたcyt.c(PN-cyt.c)のカスパーゼ活性化に及ぼす影響を検討した。神経系培養細胞から細胞質抽出液を調製し、これにPN-cyt.cを添加した。カスパーゼカスケードの下流に位置するカスパーゼ-3の活性型を免疫ブロッティング法を用いて検出することにより、PN-cyt.cの効果を検討した。その結果、PNを高濃度短時間作用させたcyt.cではカスパーゼ活性化能に変化が見られなかったのに対し、低濃度長時間作用させたcyt.cではカスパーゼ活性化能の低下が見られた。作用させるPNの総量が一定にもかかわらず、活性に及ぼす影響に差が見られたことから、低濃度で持続的なPN生成すなわち長期間に渡る酸化的ストレスが、細胞本来のアポトーシスのカスパーゼ活性化カスケードをかく乱する可能性が示唆された。 (2)パーオキシナイトライトによる細胞蛋白質のニトロ化反応の検討 PNが細胞に作用した場合、蛋白質に実際にニトロ化反応が引き起こされるかについて、神経系培養細胞を用いて免疫ブロッティング法により検討した。その結果、PNを作用させることにより、30kDa及び14kDa付近を中心とした比較的低分子領域の限られたいくつかのバンドでチロシンニトロ化修飾引き起こされていることが明らかとなり、PNによるニトロ化反応がある程度の特性を有する可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nakagawa, H., et al.: "Functional modification of cytochrome c by peroxynitrite in an electron transfer reaction"Chem. Pharm. Bull.. 49. 1547-1554 (2001)
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[Publications] Nakagawa, H., et al.: "Dose-and time-dependence of radiation-induced nitric oxide formation in mice as quantified with electron paramagnetic resonance"Nitric Oxide. 5. 47-52 (2001)