2001 Fiscal Year Annual Research Report
HACCPにおける微生物管理を目的とした有害微生物の迅速・簡便な検出法の開発
Project/Area Number |
13771421
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 進康 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (20252702)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
那須 正夫 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (90218040)
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Keywords | HACCP / 微生物 / 検出 / シングルセル / 活性 / 蛍光染色 / フローサイトメリー / 食品 |
Research Abstract |
食中毒を未然に防ぎ,被害を最小限にとどめるには,原因微生物の検出およびその環境中における動態の解明が欠かせない.そこで,活性を持つ特定種の微生物を迅速・簡便に検出可能な系を確立するために,細胞の呼吸能を評価できる蛍光染色剤CTC(5-cyano-2,3-ditolyl-tetrazolium chloride)およびFITC標識抗体を用いた二重染色(蛍光抗体-CTC二重染色)法の検討を行った. (1)蛍光抗体-CTC二重染色を行った試料をフローサイトメーターで解析するために,以下のプロトコールを作成した.すなわち,大腸菌O157と大腸菌K-12の混合試料に対し,FITC標識抗O157抗体を4μg/mL, CTCを2mMとなるように添加し,遮光下,37℃で振とうせずに1時間染色後,直ちにフローサイトメーターで解析した.その結果,(1)呼吸能を持つ大腸菌O157(FITCとCTCに由来する蛍光を共に発する),(2)活性を失った大腸菌0157(FITC由来の蛍光のみを発する),(3)呼吸能を持つ大腸菌K-12(CTC由来の蛍光のみを発する),(4)活性を失った大腸菌K-12(蛍光を発しない)の4グループを明確に区別できた. (2)蛍光抗体およびCTCで二重染色した試料を,以下の前処理後,フローサイトメーターで解析することにより,リンゴジュースおよびミルク中の生きている病原微生物を,3時間以内に簡便に検出できるようにした. (1)遠心による夾雑物除去により,リンゴジュースに添加した大腸菌O157を10_3cells/mLの感度で検出可能にした. (2)タンパク質分解酵素および界面活性剤による処理により,牛乳中に添加した大腸菌0157を10_3cells/mLの感度で検出可能にした. (3)本手法は,用いる蛍光抗体を変えることにより,様々な種類の生きている病原微生物の検出に応用可能である.
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