2001 Fiscal Year Annual Research Report
健康保険制度の普及と地域社会の発展形態に関する研究
Project/Area Number |
13771428
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小川 寿美子 琉球大学, 医学部, 助手 (20244303)
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Keywords | 地域健康保険制度 / 宗像市の定札 / 国民皆保険 / 主要産業の変遷 / 西洋医学の興隆 / 医師配置の都鄙格差 / 農村社会文化 / 組(合)制度 |
Research Abstract |
平成13年度は本研究の初年度ということもあり、研究の基盤整備(資料収集や現地調査)を中心に、以下の4つの項目を念頭に、研究を執行した。 (1)資料収集 国内の事例として、宗像市の企画調整部や郷土資料室の協力を得、定礼に関する資料収集および、その整理・分析を行った。また、日本の地域保険の源流となったいくつかの制度を紹介する論文や書籍を集めた。 国外では、いまだ地域保険が存在しない国の事例として、ラオス国の社会発展形態と地域保険導入のタイミングについて有識者を対象に聞き取り調査をおこなった。また、その対照として、すでに20年以上前から地域保険が導入されたタイ国にて、地域社会発展形態と国民の地域保険に対する受容度の変遷に関して、保健省の有識者を対象に聞き取り調査および資料収集をおこなった。 (2)フィールド調査 国内でのフィールド調査は、宗像市を対象に同市の郷土歴史家2名にご協力いただき、聞き取り調査を実施した。 また、国外では、現在、国民皆保険の実現に向けて始動中のインドネシア国を対象に、地域別・所得別に、健康保険に対するWTP (Willingness to pay)を把握するため郵送によるアンケート調査を実施中である。 (3)地域健康保険制度に関する協議 本研究の中間報告および今後の研究の方向性を協議するため、ハーバード大学公衆衛生学校のProf. William Hsiaoのグループ(世界の地域保険研究班)在米国に訪ねる予定であったが、同国で起こった同時多発テロの関係で、来年度に延期とした。 (4)系統レビュー 現在、宗像の"定礼制度"を事例に、19世紀初期以降の日本における地域保険の発展形態に関する論文を執筆中である。国際雑誌「Health Policy and Planning」(Oxford University Press in association with The London School of Hygiene and Tropical Medicine)への投稿を準備している。
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