2002 Fiscal Year Annual Research Report
疾患関連蛋白質(Hb・TTR・SOD-1等)検出・同定の半自動化の研究
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13771457
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
宮崎 彩子 大阪医科大学, 医学部, 助手 (20298772)
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Keywords | 質量分析 / 異常ヘモグロビン / ルーチン化 / サラセミア / DNA解析 |
Research Abstract |
平成13年度〜14年度に確立した下記方法にて、学内外より依頼のあった異常ヘモグロビン症疑いの検体を2年間で79検体分析した結果、異常ヘモグロビン29種47症例、βサラセミア1種1症例の変異を同定した。 その内、Hb Tatras (α7K→N)、Hb Shaare Zedek (α56K→E)、Hb Montfermeil (β130Y→C)、Hb Cochin-Port Royal (β146H→R)は、本邦第一例であった。 Hb Stanmore (β111V→A)は、本邦第一例、世界第二例であった。さらに、第一例はβサラセミアとの複合ヘテロ接合体のため、純粋なHb Stanmoreは本症例が第一例であった。 今までに報告のない新変異Hb Buzen (β138A→T)を発見した。 Hb StanmoreとHb Buzenの発見は、従来の蛋白質解析の手法では難しく、質量分析を用いた半自動化検出・同定法によってのみ発見できたと考えられた。 異常ヘモグロビン症の同定 【第一段階】スクリーニングテストとして、(1)intact globinを用いてエレクトロスプレー質量分析(ESI/MS)による変異鎖の検出、(2)溶血液を用いて弱陽イオン交換高速液体クロマトグラフィ(HPLC)による変異成分の検出を行う。(1)、(2)ともに陰性の検体については、その他の血液検査データを検討して異常ヘモグロビンではないと判定する。 【第二段階】(1)で10Da以上の質量数差のある変異成分を認めた場合;グロビンをトリプシン消化し、mixtureのままon-line HPLC/ESI/MSおよびMS/MS分析し、変異部位およびアミノ酸を同定する。 【第三段階】(1)で10Da以上の質量数差のある変異成分を認めなかった又は第二段階で変異ペプチドを検出しなかった場合;溶血液を用いて等電点電気泳動またはHPLCにて変異成分を分取し、A)トリプシン、B)エンドペプチダーゼGlu-CとAsp-Nでそれぞれ酵素消化する。on-line HPLC/ESI/MS分析し、正常成分をモニターして変異ペプチドを検出し、MS/MS分析により変異部位をおよびアミノ酸を同定する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nakanishi T, Miyazaki A, Shimizu A, Yamaguchi A, Nishimura S.: "Assessment of the effect of hemoglobin variants on routine HbAlc measurements by electrospray ionization mass spectrometry"Clin Chim Acta.. 323(1-2). 89-101 (2002)
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[Publications] Shimizu A, Nakanishi T, Kishikawa M, Miyazaki A.: "Detection and identification of protein variants and adducts in blood and tissues : an application of soft ionization mass spectrometry to clinical diagnosis"J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci.. 776(1). 15-30 (2002)
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[Publications] Miyazaki A, Nakanishi T, Shimizu A, Hisamitsu H.: "The first case of a single heterozygote of an abnormal hemoglobin, Hb Stanmore, [β111(G13)Val→Ala]"J Chromatogr B Analyt Technol Biomed Life Sci.. (In press).