2001 Fiscal Year Annual Research Report
在宅療養高齢者を介護する家族の発達的変容に関する研究
Project/Area Number |
13771460
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
桂 晶子 山形大学, 医学部, 助手 (00272063)
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Keywords | 在宅介護 / 介護者 / 要介護高齢者 / 介護意識 / 発達 |
Research Abstract |
家族介護者に関する研究と、高齢期における発達研究に関する研究について文献検討と概念枠組み作成を行った。文献検討の結果、家族介護者に関する研究は、1.介護の否定的側面に関する研究、2.介護者の健康状態やQOLに関する研究、3.介護の肯定的側面に関する研究、4.介護経験のプロセスに関する研究の4内容に大別された。文献数は、1.否定的側面に関する研究と、2.健康状態やQOLに関する研究が多く、そのうち前者が最も多かった。一方、研究対象は、要介護者の主たる介護者を対象とした研究と、家族全体を視野に入れた研究の2通りに分類され、文件数は前者が圧倒的に多かった。介護の肯定的側面に関する研究では、研究者により肯定的側面の捉え方が多岐に渡り、解釈や定義が異なっていた。また、否定的側面がストレス理論など何らかの理論枠組みに基づいて検証されているのに対して、肯定的側面に関する理論構築は充分とはいえない状況にあった。高齢期における発達研究は、社会心理学的な分野を中心に、発達心理学的研究として行われており、研究内容は高齢者の自我発達に関するものが多かった。具体的な健康問題や心理的問題を抱えている高齢者における発達研究は少なかった。 介護者の発達的変容を捉えるにあたり、1.介護する介護者自信、2.要介護者との関係、3.家族関係、4.周囲の高齢者や障害者との関係、5.介護関連の社会資源との関係(関係のある特定の集団)、6.社会(一般社会)との関係の6側面を設定した。現在、半構造化面接のプレテストを実施し、それと並行して質問内容と概念枠組みの再検討を行っている。
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