2001 Fiscal Year Annual Research Report
介護者・要介護者間における前向きなケア循環への転換と促進を図る看護支援の検討-痴呆高齢者とその介護者に焦点を当てた支援-
Project/Area Number |
13771464
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 奈美 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90311406)
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Keywords | 痴呆性高齢者 / 入浴介助 / 介護・看護 / 家庭看護 |
Research Abstract |
1.ケアワーカーのルーティンケアの一つである入浴介助について、痴呆高齢者専用居住フロアにおいて浴室への誘導、衣服の着脱に要する時間を測定・状況を観察する調査を行った。調査は、調査者が看護婦であるという点から調査施設より許可を得た。観察対象となった高齢者8人のうち4人は自力歩行できない状態であり、残りの4人は身体的な機能障害はなく、歩行できる状態であった。2人の調査者により誘導、見守りの状況観察と介護時間の測定を秒単位で行った。その結果、以下のことが明らかになった。 1)歩行できる痴呆性高齢者と寝たきり・車椅子移動の痴呆性高齢者で介護時間の差はほとんどなく、歩行できる痴呆高齢者の方が、個人差が非常に大きかった。 2)適切な誘導や見守りが行われていない場合に、介護時間の大幅な増加が起こっていた。 本結果より、要介護認定において指摘されている「動く痴呆性高齢者」の認定が、実際の介護の手間よりも軽く判定されやすい点について「誘導・見守り」の時間との関連が定量的に明らかにできたことは意義あると考える。 (以上の結果については英文誌に投稿予定) 今年度は介護時間について主に解析し結果を出したが、誘導時の痴呆高齢者と介護者の位置関係、誘導時の声のかけ方、誘導の工夫については現在分析中である。 2.訪問看護婦と家族との良好な関係を築くための問いかけ表現について調査した結果を分析した。東京および近隣3県(埼玉・千葉・神奈川)の訪問看護ステーション全数の33%のステーションに所属する391人の訪問看護婦から回答があり、Calgary univ. Family Nursing Unitで開発された「15分以内でできるファミリーインタビュー」の日本語への応用は可能であり、日本の訪問看護では「困ったことについて尋ねる」ことが幅広い意図を持って、使われていることがわかった。本結果は第4回国際看護科学学会および第8回家族看護学会で発表した。
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Research Products
(1 results)