2001 Fiscal Year Annual Research Report
行動コーディングシステムによる看護学生のコミュニケーション技法の解折
Project/Area Number |
13771474
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久米 弥寿子 大阪大学, 医学部, 講師 (30273634)
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Keywords | コミュニケーション技法 / 看護学生 / 行動コーディング / 教育評価 / ロールプレイング / 言語的コミュニケーション / 非言語的コミュニケーション / モデル化 |
Research Abstract |
本研究では、ロールプレイング学習を通して、看護学生のコミュニケーション技法を明らかにし、モデル化を試みると共に、評価指標を再構成して教育評価を行い、効果的な指導法を開発することを目的としたものである。 I.看護学生のコミューケション技法に対する評価指標の検討と測定環境の確認:A看護系大学2年生75名で、演習開始に際し趣旨と質問紙への記入は自由意志である点を説明して同意を得た。(分析対象者:65名)また、演習中に使用するビデオ録画の有無により無作為に2群に分けた。評価指標を含む観察用紙には、治療的・非治療的技法(Hays & Larson,1963)等に基づいて、技法の実施程度を含めた。質問紙には、演習全般に対する学生の満足感等の質問項目を含め、学生の不安度についてはSTAIにより演習前後に測定し、技法とそれに関連する要因という視点から測定環境を検討した。 II.評価指標に基づくコミュニーケション技法の評価とそれに関連する要因1)技法に対する自己・他者評価:全体的に同じ事例を討議実施後に反復すると、治療的コミュニケーション技法の実施程度は増加し、非効果的技法は減少する傾向が見られた。自己評価と他者評価の比較では、自己評価が低く、他者評価の方が高かった。2)不安度:ビデオ使用の有り無しで、特性不安、および直前の状態不安では、統計的な有意差はなかった。演習前と直後の状態不安の比較では、ビデオ使用有り・無しの両群ともに実施後に低下し、特にビデオ有り群で有意な低下が見られた。3)主観的とらえ方:最終演技後の他者評価では、ビデオ無し群では、「要約」と『負担感』、「探索」と『疲労感』で相関が見られ、ビデオ使用群では、「情報提供」と充実感、「共感」と学習満足感等で有意な相関が認められた。これらの結果から、ビデオ使用群では、治療的技法に対する評価と学習に対する積極的肯定的な捉え方との関連性が示された。ビデオの使用は、学生の不安感と関連しているが、自らの技術を客観視する訓練の場として取り組み、コミュニケーション技法の評価に基づく肯定的学習満足度に結びついていると考える。 この結果に基づき、ビデオをいかに活用するか、客観的な振り返りの意味は何か等の指導での強調点を検討して導入することが必要である。また、評価指標に基づき録画データの分析を進めていくことが今後の課題である。
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Research Products
(1 results)