2002 Fiscal Year Annual Research Report
老人医療施設で働く看護婦(士)と介護福祉士の連携要因に関する実証的研究
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13771480
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
浜端 賢次 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (80287052)
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Keywords | 療養型病床群 / 介護療養型施設 / 看護師 / 介護福祉士 / 連携 |
Research Abstract |
2002年度は筆者らが作成した質問紙を用い、33項目の質問について両職に尋ね両職の実態を比較検討した。両職とも実施頻度が高かった業務は「食事に関する援助業務」(食事介助、食事摂取量チェック)の2項目であった。一方で、両職とも「その他の業務」(リハビリに関連した業務、ナースコールへの対応)の2項目に関して実施頻度が低かった。 次に、職種ごとの実施内容について見ると、看護師に実施頻度が高かった業務は、「医療処置に関する業務」(体温測定、脈拍測定、血圧測定、尿量測定、吸引、酸素吸入、薬液吸入、服薬、湿布交換、氷枕交換、経管栄養の準備・後始末)と「その他の業務」(退院指導)の12項目であった。一方で介護福祉士に実施頻度が高かった業務は、「排泄援助に関する業務」(オムツ交換、トイレ誘導、失禁時の世話)、「清潔の援助に関する業務」(入浴介助、入浴できない人への清拭)、「移動・移送に関する業務」(ベッドと車椅子間の移動、車椅子での患者の移送)、「寝たきり患者への援助に関する業務」(寝たきり患者のリネン交換、寝たきり患者の体位交換、衣類の着脱)の11項目であった。この結果、医療処置業務は看護師、日常生活援助業務は介護福祉士が中心に行っている現状が明らかとなり、業務の暫定的な住み分けが進んでいる実態が浮き彫りになった。 次に、両職に面接調査を実施した。面接内容は、「連携がうまくいかなかった場面・うまくいった場面における状況と理由」について尋ねた。面接の結果、連携阻害要因3カテゴリーと連携促進要因4カテゴリーが明らかとなった。 <看護婦と介護福祉士に共通した連携阻害要因のカテゴリー> 1)看護婦と介護福祉士の意識、2)患者情報や日常生活援助業務の共有化不足、3)業務分担の明確化 <看護婦と介護福祉士の連携促進要因のカテゴリー> 1)患者の変化に伴う情報の共有化、2)両職共同によるケアプラン作成、3)両職共同による目標の共有化、4)日常生活援助業務・医療処置業務における協力作業 患者によって医療処置業務と日常生活援助業務は連続して行われる人がいることからも、患者の目標を両職で共有化し、時間の許す限り一緒に業務を行うことが連携を円滑にすすめる要因となる。
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