2002 Fiscal Year Annual Research Report
女性虚血性心疾患患者の冠危険因子是正に影響する食行動に関する研究
Project/Area Number |
13771516
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮脇 郁子 神戸大学, 医学部, 助教授 (80209957)
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Keywords | 虚血性心疾患 / 女性 / 食行動 / 冠危険因子 |
Research Abstract |
1.研究目的および研究内容 本研究は、女性虚血性心疾患患者(以下女性IHD患者という)への効果的な患者教育に資するために、まず、女性IHD患者の食行動を測定するための調査票を作成することを目的に発症5年を経過した女性IHD患者を対象に面接調査を行い、内容の整理・分類を行った。同時に冠危険因子是正に影響する食行動を調査するための調査時期(対象者の発症後の年数)を検討するために、発症後の食行動の定着時期と脂質代謝などの冠危険因子の推移について面接調査ならびに診療録による資料収集および分析を実施した。次いで上記の予備調査をもとに、発症2〜5年を経過した女性IHD患者100名を対象に作成した食行動調査票を用いて冠危険因子(BMI・体脂肪・血中脂質代謝)是正に影響する食行動について検討を行っている。 2.研究成果 女性IHD患者20名を対象に面接調査を行った結果、女性IHD患者の食行動は、「食事制限を継続するための調理の工夫」「食品の入手方法および食品の保管に関する工夫」「家事・介護など家族内の役割調整上の工夫」「食生活上の楽しみを見いだすための工夫」「食品の選択と摂取頻度」「外的要因を調整するための工夫」の6領域に分類できた。食行動の定着時期については、退院後すぐに定着した、退院後2〜3か月、半年後、1年以降、5年以降などの回答にばらつきが認められた。脂質代謝の推移は、T-CHOで初回発症退院時〜2年後までは、変化が認められないが発症3年〜4年にかけて発症2年後に比べ低下する傾向が認められた。現段階での対象数50名(最終予定数は100名)において冠危険因子是正指標のBMI低下量と総コレステロール低下量について複数の関連が認められた食行動は「間食のとり方」「汁物をとる場合の工夫」であった。今後、最終予定対象数まで調査を継続し、女性IHD患者の冠危険因子是正に影響する食行動に関する詳細な分析を行う予定である。
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