2001 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病食から蛋白制限食に変更になった患者の食事療法への認識の再構築への試み
Project/Area Number |
13771517
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
住吉 和子 岡山大学, 医学部, 助手 (20314693)
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Keywords | 糖尿病性腎症 / 食事療法 / タンパク制限食 / 患者の認識 |
Research Abstract |
糖尿病性腎症と診断された患者の自己管理の状況と治療に対する認識を明らかにすることを目的に以下の項目について実施した。 1.文献検討 医学中央雑誌、Medlineを用いて「糖尿病性腎症」に関する文献を検討した。糖尿病性腎症については、タンパク制限食の効果、低タンパクが腹膜透析導入後に及ぼす影響、タンパク制限食の効果について、食事療法の腎機能低下抑制効果、栄養評価法などについて研究されていた。すなわちタンパク制限が必要となる第3期以降の患者の食事療法を中心とした治療法については明らかにされていたが、自己理行動と糖尿病食から蛋白制限食に変更になった患者の認識については明らかにされていなかったので、今年度はこの点について明らかにすることを目的とした。 2.糖尿病性腎症の患者への面接調査 現在O大学医学部附属病院に通院している糖尿病患者のうち、糖尿病性腎症第4期の患者3名に食事の内容と食事についての認識について面接を実施した。食事療法について聞くと「女房がきちんとしています」「自分で気をつけている」「ちくわやハムはやめた」と3人とも以前の食事内容と比較して食事内容を改善していた。しかし、畜尿から食事の摂取タンパク量と塩分量を測定した結果、1名はほぼ指示通り、2名はタンパクも塩分も指示量の2倍ちかく摂取しており、本人が努力していることと目標とする治療が実施できるということは必ずしも一致しないことが明らかになった。また3名の共通点として、食事の摂取カロリーが指示量よりも不足していること、甘いものや油を食べてはいけないと思っていることであった。その原因として、腎症が出現するまでの糖尿病の食事療法を指示通り実施していなかったという後悔の念と今度は健康を回復するために努力したいという気持ちが強く、食事摂取量を少なくしていることが明らかとなった。 3.来年度の予定 来年度は、血糖値を気にするあまり摂取カロリーを控えるという行動から、必要なカロリーは摂取したうえでタンパク質と塩分を控えることができるよに食事療法についての意識の再構築を行う試みを実施するとともに、糖尿病性腎症と診断された2期〜4期の自己管理行動について調査票を作成し面接調査を実施する予定である。
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