2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13771536
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
福田 亜紀 高知女子大学, 看護学部, 助手 (40326450)
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Keywords | 意識障害 / 看護 / 意思表示 |
Research Abstract |
今年度は既存の文献の検討を行い研究の枠組みを作成した上で、主に脳外科領域での看護経験年数5年以上の看護者を対象として研究を行った。 意識障害のある患者の意志表示に焦点を当てた文献検討の結果、「看護者の患者の意思表示の捉え」を構造化し、概念枠組みを構築した。看護者は患者の表情、全身状態、発声、言葉、四肢の動き、目の動きとい<患者の様子・反応>を患者からの意思の表出として見ており、そこより患者の体験を読み取っている。そして、ケアや刺激と患者の反応との関連を、反応の有無、種類や対象、明確さや大きさ、速さ、スムーズさ、豊かさ、再現性、合目的性の程度という視点から<選択の条件>として活用している。この<患者の様子・反応><選択の条件>の2つの要素をつなぐものとして、看護者がその人の意思を尊重したケアの上で大切にしている患者像や患者自身の選択、積極性、意欲、自発性といったものが<その人の意思を尊重したケアの拠りどころ>として位置付けられた。このように看護者は患者の様子、反応を見て、その人がどのような意思を示し、また、示そうとしているのかについての看護者の判断である<意思表示の捉え>に基づいてケアを提供している。そして、そのケアは患者の刺激に応える力を引き出すことから、その人らしい生活を送る力を再び獲得することへと目指す方向性があるものであると考えられた。 この枠組みに基づいて作成した半構成的インタビューガイドに基づき、脳外科病棟で勤務している看護者(脳外科領域の看護経験年数5〜13年)より研究協力の承諾を得て、現在インダビューによるデータ収集とデータ分析を平行して行っている。 今後は、対象者に脳外科領域での経験年数が5年以下の看護者も含め、看護者の経験年数の差も考慮して、意識障害のある患者の意志表示の捉えと、看護者のケアを明らかにし、結果をまとめていきたい。
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