2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13771536
|
Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
福田 亜紀 高知女子大学, 看護学部, 助手 (40326450)
|
Keywords | 意識障害 / 看護 / 意思表示 |
Research Abstract |
本研究は、意識障害のある患者の意思表示に焦点を当て、患者はどのように意思表示しているのか、そして、看護者はそれをどのように捉え、ケアしているのかについて明らかにすることを目的としている。対象者は同意の得られた看護師11名で、脳神経外科病棟に勤務し、意識障害のある患者の看護を実践していることを条件とし、半構成的面接法による質的研究を行った。対象者の平均年齡は30.1歳、脳神経外科領域での平均経験年数は6.5年であった。 その結果、看護者は患者の状態や反応、様子等のあらゆる面を、患者の意思の表出として捉え、その意を汲み取ろうと努力しながらケアに当たっていることが明らかになり、その<意識障害のある患者の意思表示とその捉え>として、【患者はなんらかの意思表示をしている】【患者にとって不快な出来事をつかむ】【患者の戸惑いを理解する】【患者と喜びを共有している】【患者は意思疎通を図り、理解しあえる人である】の5つのカテゴリーが抽出された。中でも、【患者はなんらかの意思表示をしている】は、意識障害のある患者と関わっていく上での前提となるものでもあった。そして、意識障害のある患者へのケアは、日常生活動作獲得、意識レベル向上、全身状態の管理、事故予防、家族と共に取り組むといった活動を通して、刺激に答える力を引き出すことから、その人らしい生活を送る力を再び獲得することへと目指す方向のある関わりであることが明らかになった。 また、患者の意思表示を捉える際に看護者が重視しており、ケアの選択や実施にも影響する<患者の意思を尊重したケアの拠りどころ>として、【患者と話す】【刺激と反応の関連を確かめる】【患者像を広げる】【家族の視点に学ぶ】【時間をかける】【自身の生活経験とつなげる】【臨床経験を掘り起こす】【こだわりを持つ】【捕われない】【価値観への問いかけ】の10カテゴリーが抽出された。この<患者の意思を尊重したケアの拠りどころ>では、経験豊かな看護者ほど、多くのカテゴリーを重視し、実践している傾向が見られた。
|