2001 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疼痛患者のセルフ・ヘルプ・グループに関する基礎研究
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13771545
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
佐藤 幹代 東海大学, 健康科学部, 助手 (00328163)
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Keywords | 慢性疼痛 / セルフ・ヘルプ・グループ / 疼痛緩和 / カウザルキー / 反射性交換性ジストロフィー / サポートシステム / 看護介入 |
Research Abstract |
本研究目的は、日本国内における外傷後カウザルギー及び、反射性交感性ジストロフィー疾患において、6ヶ月以上の慢性的な疼痛を伴う患者に対する疼痛緩和を目的としたセルフ・ヘルプ・グループ(以下SHGと略す)の構築を目指す。 そこで、SHGの導入に際し、専門職としてどのような関わりが求められているのかという要件や、課題を明らかにする必要があると考えられる。欧米では、1960年代から個別のサポート及びグループサポートが行われているという報告があるが、日本国内における上記疾患のサポート体制は報告されていない。しかし、疾患を上記に特定しない慢性疼痛患者の集団療法的活動が、札幌医科大学精神科・麻酔科・看護科及び保健医療学部作業療法科スタッフによる「くろぱんの会」という名称で1997年より存在する。ここでは森田療法的アプローチにて、「あるがまま」というスタンスで、1回/1週のぺースで全会員及び医療者も、痛みや日常について語るということが文献及び現地調査の結果明らかになった。また参加者は、痛みがあるのにもかかわらず、野外活動を通して身体的活動範囲が拡大されたという報告がされている。ここでの運営は、医療者により主導的に行われている。慢性疼痛患者の多くは、痛みへのとらわれがありこれがさらに痛みを強化することに至ると考えるのであれば、痛み以外に注意を転換するという「行為」そのものが治療的効果を果たすものと考える。そのことからも、SHGという形で構成メンバー自らが主導的に運営するという活動行為を行うことは、治療的意義からも検討する余地があると考える。 今後は引き続き諸外国、特に欧米におけるこれらの試みについて文献及び現地調査を含む調査を展開すると伴に、日本国内において慢性疼痛患者が、SHGを活用する意志・希望する具体的な活動内容・課題などを聞き取りを中心に実態調査を行う予定である。
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Research Products
(1 results)