2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経筋電気刺激:磁気共鳴機能画像を用いた刺激部位の可視化システムの開発
Project/Area Number |
13780015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋間 広 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (40292841)
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Keywords | 機能的磁気共鳴画像 / 神経筋電気刺激 / 骨格筋 / 運動制御 |
Research Abstract |
今年度は外側広筋への神経筋電気刺激が,外側広筋のどの部位を刺激しているのかについて検討した.それと同時に,神経筋電気刺激によって誘発された張力を測定した.被検者は6名の男性で外側広筋上に刺激用電極をセットし,刺激を行った.刺激は収縮・休息時間をそれぞれ3秒づつとり,10回×4セット行った.刺激の前後には,大腿部筋群における機能的磁気共鳴画像を撮影し,どの部分が刺激されているのかについて視覚的・定量的に測定した. その結果,外側広筋全体が刺激されていることが視覚的に確認できた. また,神経筋電気刺激によって誘発された張力は約30%の低下が見られた. 本研究で得られた知見は,神経筋電気刺激がほぼ一つの筋を選択的に刺激することができるということを示している.本研究から得られた知見をリハビリテーション医学,運動科学の分野に応用することができると申請者は考えている.例えば,脊髄損傷患者では受傷後に著しい筋萎縮が生じることが知られている.このような患者において,本研究で用いたような神経筋電気刺激を継続的に行うことによって萎縮した筋をある程度まで回復させることができることが分かっている.また,電気刺激の電極を体内に埋め込み歩行等を可能にする機能的電気刺激なども実用化されつつある.仮に電気刺激を用いて歩行が可能となったとしても,歩行に使われる筋が十分に機能することが重要であるので,本研究のシステムで歩行の際に使われる筋を選択的にトレーニングして,歩行をより容易にすることが可能になると思われる.一方,運動科学の分野においては,現在までのところ一つの筋だけを選択的にトレーニングすることは不可能である.また,パフォーマンスの向上に寄与する筋というも次第に明らかになりつつあるので,その筋を個別にトレーニングし,パフォーマンスの向上をより効率的に行うことも可能になると考えている.
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