2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトの体温調節機能における皮膚血流反応の日内リズムの制御因子
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13780028
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
青木 健 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (60332938)
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Keywords | 日内リズム / 皮膚血流量 / 血管収縮 / 体温調節 / 人間 / 皮膚血管収縮神経 |
Research Abstract |
人の深部体温は1日24時間を一周期とした日内リズムを示し、この深部体温の日内リズムに伴い、深部体温の上昇を伴うような高温環境下や動的運動時の体温調節反応も日内で変動することがこれまでの研究により明らかとなっている。しかしながら、寒冷環境に曝されたような際の体温調節反応(主に皮膚血管収縮反応)についても日内リズムが認められるかどうかについては、これまでのところ明らかではない。そこで今年度においては、以下の観点から体温調節反応の日内リズムに関する研究を行った。 (研究実験)漸進的皮膚表面冷却時の皮膚血管収縮反応に日内リズムが存在するのかについて検討し、皮膚血管収縮反応の日内リズムは交感神経系血管収縮神経あるいは血管収縮神経のどちらの神経機構により制御されているのかを明確にする。 実験では、薬品ブレチリウムをイオン電気導入法により皮下に電気的に注入することにより、皮膚血管収縮神経活動の局所遮断を行い、早朝および夕方に全身冷却を実施した際の深部体温、全身皮膚温および皮膚血流量を測定した。その結果、全身冷却時の皮膚血管収縮反応は、早朝に比べて夕方の方が早く生じ、この皮膚血管収縮反応の日内リズムは、交感神経系皮膚血管収縮神経の活動性の変動に影響されていることが明らかとなった。また、深部体温、全身皮膚温および皮膚血流指標の3パラメータによる三次元分析から、皮膚血管収縮反応の日内リズムは中枢機構のシフトおよび末梢機構の活動性における日内変動の両方に影響されることを示した。
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[Publications] Aoki K, Stephens DP, Johnson JM.: "Diurnal variation in cutaneous Vasdilator and Vasoconstrictor systems during heat stress"American Journal of Physiology (Regulatory Integrative Comp. Physiol). 281. R591-R595 (2001)
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[Publications] Yanagimoto S, Aoki K, Kondo N et al.: "Sweating response in physically trained to sustained handgrip exercise in hyperthermic conditions"Acta Physiologica Scandinavica. 174. 31-39 (2002)
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[Publications] Stephens DP, Bennett LT, Aoki K et al.: "Sympathetic nonnoradrenergic cataneous Vasoconstriction in Women is associated with reproductive hormone status"American Journal of Physiology (Heart Circ. physiol). 282. H264-H272 (2002)
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[Publications] Aoki K, Kondo N, Shimomura Y et al.: "Time-of-day effect on nonthermal control of sweating response to maintained static exercise in humans"European Journal of Physiology. 86. 388-393 (2002)
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[Publications] 青木 健(分担部単著): "新運動生理学(下巻) 第12章6項「体温:日内変動」を分担(P295〜P300)"宮村実晴 編:真興交易医書出版部. 416 (2001)