2001 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量フルオロカーボンの乳化・可溶化および機能付与
Project/Area Number |
13780073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中村 和吉 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (60270930)
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Keywords | フルオロカーボン / 乳化 / 可溶化 |
Research Abstract |
フルオロカーボンは、炭化水素の水素原子をフッ素原子で置換した化合物であり、とくに低分子量のものは炭化水素系化合物では発現できない機能を有し、「人工血液」に代表される次世代の高機能性材料などさまざまな分野で研究が行われている。そしてこれらの物質は、ごく少量が基質表面に吸着して薄膜を形成したり、微細粒子となるようなr希薄溶液・分散系」で機能を発現する。 しかし、フルオロカーボンを希釈できる溶剤は、その種類が乏しく、かつ経済・安全性に問題があり実用的ではない。ゆえにこの機能化のためには界面活性剤を用いて乳化・可溶化を行い水中に分散させるのが最適である。しかしながら、フルオロカーボンは水、油脂にきわめて難溶であり、また経験に頼る方法で乳化の調製が行われているため、系統的な理解はいまだ得られていない。 本研究は水/界面活性剤/フルオロカーボン系状態図を作成し各成分の溶存状態を明らかにした。その結果、代替フロンとして知られる物質を系に添加することで、水とフルオロカーボンの相溶性が向上し、可溶化に有効であるとの知見を得た。これは代替フロンがコソルベントとして機能していると思われる。そして限られた条件ではあるが、この系において可溶化系のモデルとなるマイクロエマルション形成に成功した。このマイクロエマルションから乳化調製を行うと、乳化機を必要とせずにサブミクロンオーダーの微細な水中油滴型エマルションが得られた。 現段階で得られているマイクロエマルションは温度・組成等の形成条件が限定されており、広範な用途の基剤として供するには不充分である。次年度からはフルオロカーボン可溶化系の形成条件についてより詳細に検討する予定である。
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