2001 Fiscal Year Annual Research Report
歩行動作解析を利用したフットウェアの履き心地と適合性評価に関する研究
Project/Area Number |
13780074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
細谷 聡 信州大学, 繊維学部, 助手 (40293500)
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Keywords | フットウェア / 履き心地 / 適合性 / 歩行動作解析 / 筋電図 |
Research Abstract |
1.フットウェアの履き心地と適合性の評価方法の確立に関する成果 あきらかに履き心地が異なる条件を設定するためにジョギングシューズの紐の締め具合を変化させ、被験者20名を用いた歩行実験を行なった。実験では、下肢の運動学量(関節角度、角速度)と力学量(地面反力、着地中の荷重点移動軌跡、膝関節や足関節に生じる衝撃加速度)、歩行時の生体信号(前脛骨筋と腓腹筋の筋活動量)を計測した。同時に、条件ごとに歩行感覚に関して質問紙に回答してもらい主観的評価を得た。解析の結果、履き心地および適合性の計測・評価を行なう場合は、被験者に負担を比較的かけず解析の時間的コストの軽減をはかれるという点で、下肢の力学量(地面反力、着地中の荷重点移動軌跡)と生体信号(前脛骨筋と腓腹筋の筋活動量、疲労の筋電図所見)が適当である。また、これらの計測量は主観的評価と良く対応していることからも、フットウェアの履き心地と適合性の計測・評価方法となりうる可能性が示唆された。 2.ヒール高の違いによる履き心地、適合性の評価に関する成果 1で作成した評価方法を、ヒール高の違いによる履き心地と適合性ついて評価できるかを検証するために、ヒール高の異なる婦人靴を3種類(1.5cm、4.5cm、7.0cm)についての実験を行なった。とりわけ歩行快適性という観点から解析した結果、ヒールが高くなるにしたがって、歩行時の主観的な快適性が損なわれていき、同時に荷重点移動軌跡の直線化および足底圧分布の偏りが顕著になることが明らかとなった。さらに、下腿の筋電位信号の解析からは筋疲労の進行が認められた。これらのことから、1で作成した方法はフットウェアの履き心地と適合性の評価方法としての有効性が示唆された。
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