2001 Fiscal Year Annual Research Report
子どもを産むという意志決定にともなう葛藤に関する一研究
Project/Area Number |
13780081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Ryukoku University Faculty of Junior College |
Principal Investigator |
平松 紀代子 龍谷大学短期大学部, 助手 (80290211)
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Keywords | 出産児数規程要因 / 葛藤 / 子育て支援 |
Research Abstract |
N女子大学を1987・88年に卒業した女性とそのパートナーを対象として郵送によるアンケート調査を行い、248票(有効回収率27.0%)回収し、うち88票は男性票とペアで回収した。その結果、『年齢・健康・体力』、『仕事との両立』、『経済的負担』、『時間的拘束』などが葛藤要因として指摘された。予定子ども数を規定する第一要因として指摘されたのは『時間的拘束』で、生活時間におけるゆとりの欠如を指すものだった。この『時間的拘束』を指摘した人に心理的.・肉体的負担感を感じる人が多かった。女性が『時間的拘束』を指摘する傾向がみられた。また、『仕事との両立』を指摘した人には、「条件がそろえば産みたい」人が多く、結婚していてもなお子どもを産めない理由となっている。以上の結果から、子育て支援策のあり方として、仕事と育児の両立を支援する施策とともに、これまで注目されてこなかった育児中の親の生活時間におけるゆとりを確保しうる施策を検討すべきである。 さらに、妊娠経歴によって出産意図や葛藤が変遷することに注目して、個人のライフステージごとに異なる子育て支援策へのニーズを探った。その結果、第1妊娠に際しては「育児にともなう負担があっても欲しい」が多い一方で、「自然のなりゆき」が有意に多く、無意図的に出産が延期される傾向がみられた。第2妊娠では、「きょうだいの年齢差」と「性別選好」が有意に多くなり、より積極的に意図されていた。第3妊娠では、「計画外妊娠」と「産まない選択をした」が有意に多くなり、出生停止意図が高まっていた。全体的に妊娠時に「仕事の都合を考慮」、「経済的安定を考慮」、「年齢・体力を考慮」した場合、さらにもう1人の子どもを産まなくなる出生停止意図の高まりが確認された。
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Research Products
(2 results)