2001 Fiscal Year Annual Research Report
種々の調理方法による食品中カロテンの存在状態に関する研究―消化吸収の観点から―
Project/Area Number |
13780086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hiroshima Prefectural Women's University |
Principal Investigator |
橘高 博美 (桂 博美) 県立広島女子大学, 生活科学部・健康科学科, 講師 (90305805)
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Keywords | トマト / ニンジン / リコペン / カロテン / 調理 / 消化 |
Research Abstract |
本研究に関しては、昨年度までにトマト含有リコペンとニンジン含有カロテンで同じ調理操作をしても油および水に対する溶解性が異なる可能性が示された。本年度は水煮など油を用いない手法で調理された野菜中カロテンの溶解性を液体層、固体層に分けて検討し、エンジン含有カロチンについて調理操作による脂質消化後溶解(または乳化)への影響の違いを見出した。ニンジンを水煮した後にブレンダーによって荒砕し、遠心分離を行って液体層、固体層に分け、さらに固体層に対して脂質乳化後消化試験を行った。その結果、新たに液体層に溶出するカロテンが確認されその溶出は生のニンジンに対して水煮をおこなったもので有意に高いということを示した。この生と水煮の個体部分の消化後水層へ溶解したカロテンの量比を今後決定する。また、トマトにおいては、その細胞間の結合状態がニンジンと異なり、生のままでブレンダーによって荒砕すると細胞同士がばらばらになりやすく、細胞破壊が起こりにくい食材であることが明らかにされた。また、水煮を長時間行うことや裏ごしという調理操作によって細胞破壊を起こすと液層にリコペンが溶出することが明らかにされた。トマトに関しては、脂質乳化後消化試験を今後行い、ニンジンと同様に生と水煮の個体部分の消化後水層へ溶解したリコペンの量比を決定する予定である。現在、文献で得られている各調理法法の消化吸収率とニンジンにおける今年度の実験から得られた概算値との関係を検討している。最終的には、調理条件などを調整した上で、ヒトの消化吸収実験との相関を数値として示していく予定である。
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