2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13780090
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
安藤 真美 山口県立大学, 生活科学部, 講師 (50234183)
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Keywords | 氷温貯蔵 / イカ / 筋肉 / うまみ / テクスチャー / 物性 / 軟化 / 組織観察 |
Research Abstract |
鮮度低下の早いイカ筋肉に対し、「氷温貯蔵」を応用し、イカ筋肉の特徴である"うまみ"と"テクスチャー"を保持しつつ、保存期間の延長を目指すことを自的として実験を行ったところ以下の結果が得られた。 1.イカ肉の氷温の決定:イカ筋肉の氷結点が-2℃であることが明らかとなったため、-2℃〜0℃の範囲でできる限り-2℃に近い温度をイカ筋肉の氷温と決定した。 2.氷温貯蔵によるイカ肉の物性変化:イカ筋肉は死後9時間というきわめて早い段階で急激な軟化現象が生じるが、氷温貯蔵した場合、軟化現象が抑えられていた。 3.氷温貯蔵におけるイカ筋肉のドリップ量の変化:冷蔵貯蔵品に比べ、貯蔵期間の延長に伴うドリップ流出量は抑えられていた。 4.氷温貯蔵におけるイカ筋肉の組織学的変化:貯蔵期間の延長に伴い、冷蔵貯蔵品は、筋細胞間に隙間が生じたが、氷温貯蔵品は、1ヵ月後においても隙間があまり生じず、ドリップ量が増加しなかった要因のひとつと考えられた。 5.氷温貯蔵におけるイカ筋肉の呈味成分の変化:イカ筋肉中のうまみ成分であるイノシン酸、および遊離アミノ酸量は、冷蔵貯蔵品と比べ1ヶ月後において有意に多かった。これは、ドリップ中にこれらのうまみ成分が多く含まれているためと考えられた。 以上の結果から、イカ筋肉の氷温貯蔵は、冷蔵貯蔵に比べ、非常に有効な保存方法であることが推察された。
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